東北学院大学

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学長の部屋

スピーチ・講演録

東北学院創立130周年記念式式辞

2016年5月14日

本日ここに、東北学院創立130周年記念の礼拝を共に捧げることができました。ご多用にもかかわらずご参集くださったご来賓の皆さま、本学院同窓生の方々、そして本学院の務めにあたっている教員・事務職員、加えて今本学院で真摯な学びに励んでいる学生生徒代表諸君、これら皆さまに感謝申し上げます。また、東北学院のために25年にわたってよきお働きをなされた永年勤続者皆さまに感謝の意を表しえますことをも幸いに存じます。

改めて、東北学院のこれまでの歩みを守り導き、ここにお集まりの皆さまと、130年の間本学院に関わりを持たれたすべての方々を慈しみ、祝福をお与えになっておられる、東北学院のまことの創立者であられる神をほめ称えます。

この礼拝堂には、押川方義、W.E.ホーイ、D.B.シュネーダー、の本学院にとって大切な「三校祖」の肖像が掲げられています。彼らそれぞれの、東北学院創設のためになした働きの大きさ、想像を絶する苦難と、それと格闘した熱い心、強靭な信仰を私たちは学び、彼らへの感謝と敬愛の念を、今新たに覚えるものです。

東北学院は1886年仙台神学校としての歩みを始めました。最初は2人の教師と6人の生徒だけの学校でありました。福音主義キリスト教に基づく人格教育を施す普通教育をも理念に加え、1891年に東北学院と改称し、その名称が今に受け継がれています。東北日本、仙台という地に確たる歩を占め、「地の塩、世の光」となれ、とのキリストの教えにならい、人に愛をもって仕える、そのことを教育の基本として来ました。

130年という区切りの年を覚えて、学院では2年前に記念事業を立ち上げ、土樋キャンパス構想、すべての学生を対象とした奨学金の充実、などの計画を進めてきました。大学、中学校・高等学校、幼稚園をあわせて、教育共同体として基本的なビジョンを打ち出すこともできました。TG Grand Vision 150、がそれであります。「ゆたかに学び、地域へ世界へ-よく生きる心が育つ東北学院」という新しいモットーを定め、学院こぞって、20年先を見据えて年ごとの、魅力ある具体的計画を策定し、着実に実行してゆこうと決意したのであります。

そして今日この日、記念の祈りの会、記念礼拝を迎えることが出来ました。長く、恵みにあふれた130年の歴史に感謝するものであります。

また、この1年という一区切りの中でも、いくつか心に刻むべき出来事があったことを思い起こします。

昨年の秋、KYB株式会社という企業の方々の訪問を受けました。その会社の歴史を掘り起こす作業そしておられ、創業者が東北学院の関係者であることから、訪問されたというのです。KYBとは、「かやば」の小文字3文字でありまして、創業者は萱場資郎氏なのでした。萱場資郎氏は第二次世界大戦時、キリスト教学校であるがゆえに国家に敵視され、廃校の危機にあったときに本学院の理事となられて、工学系の学校を敷設し、そのための設備をも提供してくださって、辛うじて本学院が戦時下も存続する支えとなってくださった方であります。思いも寄らぬ訪問者を迎えて改めて東北学院の導かれた歴史、不思議な運命の巡り合わせを知ったのです。

また昨年は、土樋北校舎の建築が順調に進捗を見た年でもありました。三菱地所設計、大林組さんその他関係者のお力により、きわめて短期間で工事が進み、さる3月15日に竣工、28日に献堂の式を執り行うことが出来ました。この建物は3校祖の一人、ホーイの名を冠して、ホーイ記念館と称することとなりました。瀟洒でモダンな外見は有形文化財としての歴史を体現する土樋本館、礼拝堂と対峙して、存在感を示します。講義室・演習室・研究室に加え、学生の主体的学びを行わせるラーニングコモンズや喫茶室をも備え、地域にひらかれた教育の館となります。

このホーイ館を起爆剤として本学は学都仙台の中心にあって、地域に溶け込み、研究教育の成果を社会に発信する都市型大学として成長してゆきたいと思います。

キリストの与えられたいのちと、光と愛を表すLIFE LIGHT LOVEの3L精神を胸に刻み込み、また「地の塩、世の光」としての生き方を大切にしてきたのは中学校・高等学校、榴ケ岡高等学校も、また幼稚園も同様であります。それぞれの学校に昨年度豊かな実りが与えられました。高校野球や水泳などの部活動で活躍した生徒がおり、大学進学でも成果を挙げました。生き生きとした教育実践を行いつつ130周年を迎えています。

卒業生総数は18万に達そうとしています。これらの方々が、本学院での学びを結実させ、社会においてよく生き、奉仕し続けておられること、このこともまた神さまのお恵みであります。そしてこの卒業生の群れは、これからも1年を経るごとに確実に増えてゆくのです。今、学院の教学の務めにある者として、その任の尊さと重大さを思わざるを得ません。

しかし、現今の社会、私立学校が直面する状況にはこの上なく厳しいものがあります。あらためて私たちは建学の精神に立ち、まず何よりも「主を畏れること」を第一として、教育内容の改革、充実に専心し、学院の名を高く掲げ、130年目の歩みを踏み出したいと思います。青年に社会的スキルを教えると共に、キリスト教に立って心と教養・人格を育てる業を担い、実践してゆくこと、その単純なことをひたすらに守りたいと思います。ただ万物の創造主にして私たち学院の真の創立者である神さまを信じて邁進したい、そのために教職員の皆さん、卒業生、関係者皆様のお支えを心より願うものであります。

最後に聖書の言葉を持って結びといたします。

「あなたがたは神に選ばれ、聖なる者とされ、愛されているのですから、憐れみの心、慈愛、謙遜、柔和、寛容を身に着けなさい。互いに忍び合い、責めるべきことがあっても、赦し合いなさい。主があなたがたを赦してくださったように、あなたがたも同じようにしなさい。」

(コロサイの信徒への手紙3章12, 13節)