東北学院大学

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学長の部屋

スピーチ・講演録

東北学院創立131周年記念式式辞

2017年5月15日

本日ここに、東北学院創立131周年記念の礼拝を共に捧げることができました。ご多用中にもかかわらずご参集くださったご来賓の皆さま、本学院同窓生の方々、そして本学院の務めにあたっている教員・事務職員、加えて今本学院で真摯な学びに励んでいる学生生徒代表諸君、これらの皆さまに心より感謝申し上げます。また、東北学院のために25年にわたってよきお働きをなされた永年勤続者皆さまに感謝の意を表しえますことをも幸いに存じます。

改めて、東北学院のこれまでの歩みを守り導き、ここにお集まりの皆さまと、131年の間本学院に関わりを持たれたすべての方々を慈しみ、祝福をお与えになっておられる、東北学院のまことの創立者であられる神をほめ称えたいと思います。

東北学院は1886年仙台神学校としての歩みを始めました。最初は2人の教師と6人の生徒だけの学校でありました。福音主義キリスト教に基づく人格教育を施す普通教育をも理念に加え、1891年に東北学院と改称し、その名称が今に受け継がれています。仙台という地に確たる歩を占め、「地の塩、世の光」となれ、というキリストの教えにならい、人に愛をもって仕える、そのことを教育の基本として、延べ18万人を超える卒業生を世に送り出してきました。

さて昨年は学院創立130年の記念すべき年でありました。3月28日に3校祖の一人の名を冠する「ホーイ記念館」の献堂の式を執り行うことが出来ました。引っ越し等を夏にかけて行い、秋から本格的に始動しました。ラーニングコモンズに、インターネットを駆使する学生たちが集っている姿が道行く人からよく見え、やはりガラス張りのパン屋さんは近隣の人たちに人気です。ホールでは講演やシンポジウムが開かれ、これも市民多数を集めています。土樋の新しいホットスポットを学院が提供したことになります。この他にも130周年を記念して音楽フェスティバルやシンポジウムなど多彩な催しが行われました。文部科学省の私立大学研究ブランディング事業に採択され、この礼拝堂のキリストの昇天ステンドグラスのすばらしさが再評価されたことも喜ばしい成果と言えます。

とりわけ学院史資料センターが新資料発見を機に開いたシンポジウムが印象的でした。本学同窓生で理事長も務めた国会議員、鈴木義男が現行日本国憲法制定委員として、第九条「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、」の件に「国際平和」の文言を加筆するよう提案した、という、憲法改定が叫ばれる現状で実に時宜にかなう主題を掲げたものでした。日本人が日本国憲法制定に主体的に関わったことを実証し、最近のNHKテレビでも取り上げられたことはご存じの通りです。本学院の人材が平和憲法制定のために重要な役割を果たしたことを改めて知らされたところでありました。

ホーイ記念館を起爆剤として本学は学都仙台の中心にあって、地域に溶け込み、研究教育の成果を社会に発信する都市型大学として成長してゆく一歩を踏み出しました。そして昨2016年度はさらにそれを発展させてゆく手がかりを得ることが出来ました。

最大のニュースは、仙台市立病院跡地が利活用事業者の応募を行い、本学院が選ばれたことでした。学都仙台の中心にアーバンキャンパスを構想するものです。礼拝堂は千人収容できる音楽ホールとして市民にも公開します。地域の産業との提携、市民サポートの場も提供する予定です。そして、泉キャンパスと多賀城キャンパスから教養学部、工学部をここに集中させる計画です。泉の体育施設は授業と課外活動のために継続使用しますが、いよいよ東北学院大学の都心集中が、6年後を目途に実現するのです。TG Grand Vision 150の3年目の今年、その歩みを本格化させ、加速させてゆかなければなりません。

時代の風は益々厳しいものがあります。少子化と共に、政府の教育への冷淡さは補助金削減という形で学校を圧迫します。大学自体が自ら教育の充実に努め、存在感を社会に発信し続けなくてはなりません。東北学院中学校・高等学校と榴ケ岡高等学校とはそれぞれに改革を進めています。多様なコース制など、両校が特色を生かし、個性を明確にして発展させたいものであります。大学のキャンパス構想を、いわゆる高大接続の切り口から、他の学校法人にない相互乗り入れの教育プランを考えたいと思います。幼稚園は多賀城移転を見据えて、大きな中長期的プラン策定の時を迎えました。法人全体の課題として考えたいと思います。

もちろん「地の塩、世の光」のスクールモットー、「ゆたかに学び、地域へ世界へ」の新しいキャッチワードを実践するためにも、学生生徒を人格的に受け入れ、一人びとりに配慮し、教育を真に身につけさせ、達成感・満足感をもって送り出すようであり続けたいと切に願っています。

131年目のこの年も、万物の創造主にして私たち学院の真の創立者たる神を信じて邁進したい、そのために教職員の皆さん、卒業生、関係者皆様のお支えを心より願うものであります。

最後にパウロの言葉を、学院に学ぶ園児・生徒・学生へのメッセージの意味も込めて、引用します。

「あなたがたは神に愛されている子供ですから、神に倣う者となりなさい。
キリストがわたしたちを愛して、御自分を香りのよい供え物、つまり、いけにえとしてわたしたちのために神に献げてくださったように、あなたがたも愛によって歩みなさい。」エフェソの信徒への手紙 5章1, 2節