東北学院大学

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博物館開館10周年記念シンポジウム「古墳時代王者はどんな人?」開催報告

2019年06月13日

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 6月8日、東北学院大学博物館開館10周年を記念したシンポジウム「古墳時代王者はどんな人?」がホーイ記念館ホールにおいて開催されました。
 東北地方における古墳時代の様相を解明する歴史学科の辻秀人(博物館前館長)ゼミナールで進めてきた福島県喜多方市の灰塚山古墳の発掘調査(平成23年から平成29年実施)で、二つの棺から多数の副葬品と約1500年前の会津盆地に君臨した王者と思われる人骨が出土しました。全国的にもきわめて珍しい歴史的大発見は後に、人骨研究のスペシャリストによってより詳細な分析や研究が行われ、その成果報告を聞けるシンポジウムとなりました。
 冒頭、博物館の七海雅人館長(歴史学科教授)は「博物館は文学部の学生が博物館学芸員資格取得のための実技実習の場として利用され、また教員と学生の研究成果を展示しています。現在は開館10周年を記念して灰塚山古墳の調査成果を展示していますので、ぜひ足を運んでいただきご覧ください」とあいさつしました。

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 最初の報告者として辻教授が発掘調査成果の全体像を述べ、続いて新潟医療福祉大学の奈良貴史教授が人骨の特長、東京大学総合研究博物館米田穣教授が年代測定と安定同位体分析、山梨大学医学部の安達登教授がミトコンドリアDNA解析、東北大学大学院歯学研究科の鈴木敏彦准教授が人骨の復顔について報告。さまざまな分析結果から王者の姿が明らかにされました。
 その後行われたパネルディスカッションでは、報告を行ったスペシャリストに加えて、鈴木准教授と共に人骨の復顔に携わった東北大学大学院歯学研究科の波田野悠夏さんも出席し、会場から寄せられた質問にスペシャリストたちが答えたり、復顔された王者の姿(全身)を3D化したアニメーション(サンクアール社制作)も上映されたり、盛りだくさんの内容となりました。

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 なお、東北学院大学博物館では、開館10周年記念特別展「開・首長の棺—福島県喜多方市灰塚山古墳の調査成果—」を6月8日から7月20日まで開催しています。シンポジウムで報告された灰塚山古墳の調査成果をじっくりご覧いただけます。