大学博物館の新たな展示 「一関藩家臣家の文書群 ―分限帳のなかの奥女中―」
2012年02月14日
東北学院大学博物館は、大学として研究をとおして蓄積した知的財産を収蔵し、展示公開することを目的としています。そのため、常設展示に最新の研究成果を随時反映させるかたちで展示替えを進めています。
今回は、本学の東北文化研究所に寄託されている境澤文書の展示替えをしました。境澤文書は、仙台藩の支藩であった一関藩田村氏に仕え、代々家老などの要職を歴任した境澤家伝来の一括文書です。役職に関係して作成された藩政関係史料群のほか、多種多様な史料が揃い、上級藩士家の公私にわたる生活を考察できる点が特色です。
この展示では、大名当主とその家族の日常の世話をする女性家臣団として仕えていた「奥女中」について紹介しています。展示の内容は、文学部歴史学科の菊池慶子教授がゼミ生の古文書読解の訓練の一環で史料の判読を進め、その内容を分析したものです。
分限帳とは、江戸時代の藩の職員録のようなもので、与えられた給料も記された史料です。一関藩の分限帳は四点が確認されていますが、そのうち三点が境澤文書に含まれており、大変貴重な史料となっています。また「女中常服略記」は、奥女中が何の行事に何を着るかを事細かに記したもので、布地の模様から下着にいたるまで定められていたことがわかる興味深い資料です。
ぜひ、この機会に近世史研究の醍醐味にふれてみてください。
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