東北学院大学

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学長の部屋

大学入学式告辞

平成29年度 東北学院大学入学式 告辞

本日ここに、2017年度入学式を挙行するにあたり、新しく入学された2,735人の皆さんに心からお祝いを申し上げます。またご臨席の保護者・ご家族の皆様にお慶びを申し上げますと共に、ご来賓の皆様にも厚くお礼申し上げます。

入学される皆さんはそれぞれに高校での学びを終え、選ばれて入学の権利を勝ちとられ、ここにおられます。今東北学院大学の一員となられました。お迎えする大学としてこの上ない喜びであります。わたしたちは皆さん方一人一人を、かけがえのない人格として尊重し、受け入れます。これからの4年間、全力でサポートすることをお約束します。

東北学院大学は6つの学部と6つの大学院研究科を有する、東北最大の私立大学であります。しかも、131年という、日本の私立学校の中でも有数の長い歴史を誇っています。近代明治日本誕生の時代、西欧とアメリカの文明流入の一環としてプロテスタントのキリスト教伝道者が到来し、横浜・東京・関西各地に教会だけでなく、いくつもの学校を設立し、日本の教育の近代化に貢献したのですが、仙台では、1886年(明治19年)にアメリカ人宣教師ウイリアム・ホーイ、D.B.シュネーダー、そして日本人初代のクリスチャンの一人押川方義らの働きによってキリスト教学校が設立されました。これが東北学院の前身、仙台神学校であります。5年ほどで仙台神学校は東北学院と改称し、現在の名称となりました。

創立以後、政府による統制や戦争による苦難の時代を経験しながらも、東北学院は教育の幅を広げ、キリスト教を基盤とした高等教育機関としての歴史を歩んできました。大学の設立は1949年であります。東北学院は創立以来、総計18万を超える卒業生を本学は世に送り出してきました。仙台で、東北で、のみならず世界各地で、あらゆる職場で、また家庭で、よい働きをしています。社会では、これら東北学院卒業生たちに、高い評価を与えてくださっています。

そのような評価を得る人材・人格が育つ要因が、私は東北学院大学の基盤・建学の精神であるキリスト教の教えと、人格陶冶のための教養教育重視の伝統、そしてその上に加わる専門的分野の知識と能力、この3層構造の教育にある、と信じています。

まず学院の教育理念の基盤、これを建学の精神と言います。それは、「聖書の示す神に対する畏敬の念とイエス・キリストにならう隣人への愛の精神を培い、文化の発展と福祉に貢献する人材の育成を目指す」、と定められています。よりわかりやすい表現で、私たちは「地の塩、世の光」として生きる、というイエスの言葉をスクールモットーとして来ました。

この精神によって、大学の3つのキャンパスでは、毎朝10時台に、短くはありますが礼拝が必ず行われます。静謐な礼拝堂で、ステンドグラスを見上げ、聖書を読み、それに基づくメッセージを聞き、学院の根幹の精神を知ってほしいと思います。

次に教養教育ということです。6つの学部にはそれぞれの専門性がありますが、いかなる分野の知識を身に着けるとしても、何より社会での生き方を知るためには、専門分野の基盤となり、背景となる学問を大学前半期を中心に学ぶのです。それは外国語であり、政治・法律・経済・科学・芸術などの諸分野の基礎的知識であります。

これに加えて東北学院大学には「TGベーシック」と呼ぶ、学生の人間性の陶冶と社会的能力の育成に配慮した、キリスト教学や日本語、コミュニケーション能力、思考方法のスキルを磨く、などの内容の科目があります。これらによって一層皆さんの実際的な、あらゆる事態に適応できる能力がつくだろうと思います。

本学では、創立150年に向けて、新たなスクールモットーを掲げました。それは「ゆたかに学び、地域へ世界へ−よく生きる心が育つ東北学院」というものです。そのように皆さんにはしっかり学んでいただきたいと思いますし、そのための環境を大学は提供します。

大学では、これらいくつかの要素からなる教育を、皆さんが過ごす4年間の在学期間中どのように受けてゆくか、をカリキュラムで示します。すでに始まっているオリエンテーションで、先輩のリーダーや教職員から、皆さんそれぞれのカリキュラムを構想し、大学生活の過ごし方を教わってください。そのオリエンテーションキャンプの機会に、ファーストコンタクトがよいスタートとなって、新しい友人もできればよいと思います。

人と人のつながりを大切にしてください。あいさつし微笑みを交わしあうキャンパスであって欲しいと思います。目や足などが不自由な仲間がいます。声をかけ、必要ならサポートをしてあげてください。大学はすべての学生が、手助けを必要とするとき、支えたいと準備しています。授業やキャンパス生活の助言をするコンシェルジュとか、学生支援のセンターとか、また先生方のオフィスアワーなどを利用してください。

まずは授業を大切にしてください。課外活動も大学生活の潤滑油です。そこでのスポーツや趣味との出会いは人生一生に関わることかも知れません。学園祭や大学対抗戦もあります。積極的に取り組んでください。また東北学院大学では伝統的にボランティアの社会活動が盛んですが、大震災の後は復興ボランティアステーションが全国の大学ボランティアのキーステーションとなって活躍しています。若者への社会の期待には大きなものがあります。どうぞ助けが必要な人々のために奉仕する機会を広げてください。

毎年授業の方法については工夫し改善を行っています。学生自身が考え、調査し、報告提案する、アクティブ・ラーニングという方式を多くの授業で取り入れています。パソコンなどを使いこなせる、最新のITメディアを備えたラーニングコモンズという学びの施設を準備しています。授業は今、先生が教え与える、という一方向のものではなく、学生が主体的に授業に関わり、調べ、考え、まとめたことを発表し、討議し、評価し合うような、能動的な学修が求められています。

大事なのは、皆さん自身が、大学生活をどのように展開してゆくか、その意志を明確にもつことです。皆さんが自分の希望を明確にし、それを教授たちに示し、教えを請う、皆さん自身の言葉です、説明力です。聖書の言葉を加えるなら、「求めなさい。そうすれば与えられる。・・門をたたきなさい。そうすれば開かれる」(マタイ7:7)であります。

東日本大震災から6年が経ちました。復興は、津波の被災地と原発事故のあった福島でとりわけその道に厳しいものがあります。復興のための人材が求められています。ボランティアでのみならず、研究成果による貢献や、地元への就職、それらもまた大学は期待されています。東北学院大学は東北日本という地域の大学として、その社会と人々と共に生き、共に創造する大学であることを明確に打ち出しています。元の仙台市立病院の跡に五橋キャンパスを建設し、近い将来には泉と多賀城のキャンパスも統合し、学都仙台の中心にある大学、地域の市民にも開放的な大学像を構想しています。

皆さんも、このように地域社会と共に生きる大学の働きに、主体的に関わっていただきたい、その覚悟を共にしていただきたいと思います。

厳しい時代の中で大学生活を始めようとする皆さん、東北学院大学は、これからさらに豊かな構想を持って発展してゆこうとしています。皆さんも共にこの4年間を、計画的に、着実に、しかし心は高く、快活に、過ごしてほしいと思います。そのキャンパスライフを大学はいつも見守り、支援を惜しまないことをお約束します。

以上をもって学長の告辞といたします。

2017年4月4日

東北学院大学学長 松本 宣郎