東北学院大学

工学部出張講義

出張講義

電気電子工学科(50音順)

教授 石上 忍 「身近な家電と受信障害のお話(実験有)」

地球温暖化の問題や東日本大震災の影響などで、近年ますます省エネルギーを推し進める動きが活発になっています。それに呼応して、インバータ搭載家電やLED照明などの省エネ機器がどんどん増えています。ところが、省エネ機器の中には、不要な電磁波雑音が発生して、放送や通信などの受信障害を引き起こしてしまうものがあります。この授業では、実験を通して、なぜこのようなことが起こってしまうのか、電磁波雑音の伝わり方について解説します。

教授 岩谷 幸雄 「音響学事始め~音響VRと空間知覚~」

人間にとって音は、最も基礎的なコミュニケーション手段であり、音響学はそれを追求する学問です。本講義では、音響学の分野を概観し、最先端の音響VRの研究や、音響システムについて紹介します。

教授 大場 佳文 「いろいろな電磁現象」

あまり教科書に載っていない電磁現象(例えば、ボールベアリングモーターや地震雲など)についての話題を、3話から4話のオムニバス形式で紹介します。

教授 小澤  哲也 「科学技術社会を生きる」

現在の私たちの生活は科学技術によって成り立っています。毎日使用する水道も家の構造もスマートフォンも科学技術による成果です。一方で科学技術の発展に伴い、害となる副作用もあり、我々はそれらの影響も考慮しながら生活しなければなりません。ここでは本学で講義されている「科学技術社会を生きる」の一部を抜粋し、講義を進めていきます。

教授 郭 海蛟 「風力と風力発電について」

風がどこから来たのか、風の力が何通りあるのかなど風力に関する基本的な話からはじめ、風車の種類などについても紹介します。風力発電は、自然エネルギーである風力エネルギーで発電機を回して電気エネルギーを取り出すもので、特徴として環境汚染物質の排出が全くなく、クリーンな発電システムであること、風という再生可能なエネルギーを利用するため、エネルギー資源がほぼ無尽蔵であることなどが挙げられます。しかし、風は常に変化し、風向や風速が絶えず変化するため、安定した発電出力が得にくい。また風のエネルギー密度が小さいことなどが短所となっています。

教授 加藤 和夫 「工学の技術でからだをみる(実験有)」

人間の体は、心臓、筋肉、脳など様々な器官、組織、細胞から構成されており、さらに人間らしく健康に生きるために様々な機能がありますが、実際にはまだ解明されていない部分も数多くあります。近年の最先端の工学技術では、これまでよくわからなかった人間の不思議にとり組み解明しようと試みられております。この授業では、このような話題について解説します。

教授 川又 憲 「モバイルコミュニケーションを 支える電子技術(実験有)」

今話題のスマートフォンや携帯電話は、いつでも、瞬時に、必要な情報や映像を手元に届けてくれます。このような高度な情報伝達はどのような技術で支えられているのでしょうか?この授業では、モバイルコミュニケーションを支える電子技術と情報の運び手となる電波の不思議について解説します。また、身近にある電気と磁気の振る舞いを簡単な実験を通して体験します。

教授 金 義鎭 「ディジタル画像処理とは?」

人間は目から得られたシーンを解析し、必要な情報を収集します。その情報に基づいて、人間は次の行動を判断します。しかし、注目している部分は、素早く上手に処理を行いますが、それ以外の部分は処理に失敗してしまったりします。言い換えると、平凡な風景の中に、重大な何かが含まれていても見落とすかも知れません。このような誤りを防ぐために、カメラから得られたシーンをコンピュータ上で処理させる方法を紹介します。

准教授 桑野 聡子 「電子の振る舞いと周期表の謎」

原子の中では電子は原子核の周りを乗って回っています。その原子核の周りを回っている電子の数を原子番号として、周期表は原子番号の順に元素を並べている表です。でも、どうして間が空いた表になっているのでしょう?なぜ別枠の周期表が付いているのでしょう?立体周期表の作製を通して、本当の電子の振る舞いと、周期表に秘められた謎についてご紹介します。

教授 呉 国紅 「安全・クリーン・安定な電力供給のために」

電力エネルギーは現代社会を支える最も基礎的かつ必要不可欠なものです。本講義では、この重要な電力エネルギーを供給している電力システムについて学習します。現在の電力システムの技術発展の歴史や、現状構成などの基礎知識を理解する上で、注目を浴びている再生可能エネルギー発電の利用やスマートグリッド・マイクログリッドなどの最新技術についても学びます。

准教授 佐々木 義卓 「級数と素数」

高校数学でも学習しますが、数を無限に加えたものを級数といいます。一方、素数は自然数の構成要素であり暗号理論などにおいて重要な役割を担います。本講義では素数の性質を級数の観点から紹介したいと思います。

教授 佐藤 文博 「身近な電磁現象と生体のつながり」

電磁気分野の研究発展が今日の科学技術を支える礎となっています。電磁気現象に端を発するエネルギー変換に於いて、我々の身近な生活との関連について紹介します。

教授 嶋 敏之 「iPadに世界一強い磁石は何個使われている?」

私たちの身の周りには磁性材料を使ったもの・デバイスがたくさんあります。生活を豊かにするために新しい機能性を持った材料・デバイスの開発が必要不可欠です。本講義では、磁石が可視化できるシートを使って身近にある“モノ”のどこに、どのような目的で磁石が使われているのか紹介します。

准教授 鈴木 仁志 「電子を使って物質の構造を調べる―金属粒子から化粧品まで―」

工業製品に使われている材料や電子回路は、技術の発達により1μm(1mmの1000分の1)よりさらに小さい、ナノメートル(nm:1μmの1000分の1)の大きさまで加工の微細化が進んでいます。また電子製品に限らず、身近なものにまでナノメートルの大きさの加工が加えられるようになってきました。たとえば化粧品の粒子は紫外線カットや皺消し効果などの高機能化にもナノメートル領域の加工がされていたりします。ではこのような目に見えない小さな領域の微細構造をどのように観察するのでしょうか。この講義ではナノメートルの領域の物質を、電子を用いて観察する手法について、透過型電子顕微鏡で実際に観察した試料写真や動画を交えて説明します。

教授 土井 正晶 「”電子スピン”って何?使えるの?」

電子が持っている”電荷”と”スピン”の両方の性質を工学的に応用することを目指しているのがスピンエレクトロニクス分野です。この分野はまだ若い分野ですが現在すでに超高密度磁気記録に応用され、メモリー等への応用も始まっています。電子スピンを積極的に利用することで省エネルギーと安全・安心な社会の実現を目指している最先端のスピントロニックデバイスの研究について紹介します。

教授 枦 修一郎 「磁気ひずみ~鉄に磁石を近づけると伸びたり縮んだりする現象~」

磁性体(例えば鉄)は、磁石を近づけたり電磁石で磁界(磁場)をかけたりすると伸びたり縮んだりする“磁気ひずみ”という性質を持っています。非常に小さな伸び縮みですが、この性質は高感度なセンサや発電機に利用できることを紹介します。

教授 原 明人 「半導体の世界」

スマートフォンやタブレットPCを例にとり、半導体デバイスの役割とその重要性についてやさしく紹介します。