教養学部

学部の特色

広い分野にわたる学問の多様性と学際性

教養学部の学びの大きな特色は、学問の多様性と学際性にあります。準備されている学問分野を挙げてみましょう。哲学、倫理学、心理学、社会学、教育学、体育学、文学、文化人類学、ドイツ語学ドイツ文学、フランス語学フランス文学、中国語学中国文学、英語学英文学、日本語学、言語学、芸術学、数理科学、情報工学、情報理論、通信理論、神経生理学、分子生物学、地理学、地形学、環境生態学、環境社会学、民俗学、社会福祉理論、スポーツ学。かくも多様な学問分野が準備されているのです。いわゆる文系の学問ばかりではなく理系の学問もあります。この学部は東北学院大学の中で唯一、文理融合型の学部なのです。現代社会の中で「教養」を標榜するかぎり、文理融合という視点を無視することはできないでしょう。

もちろんそうした多様な学問が多様なまま分散されているわけではありません。これらの学問は、人間科学・言語文化・情報科学・地域構想という四つの学科に、その学科の特徴を際立たせるように配置されています。学問のこうした配置に基づいて基幹となる学問を学ぶとともに、他学科の多様な学問へと学びを広げることが可能です。学問の学際性は、基礎的な学年次に学ぶ「学部共通科目」にその特色が生かされていると同時に、学びの集大成となる四年次の「総合研究」にも生かされています。

学際性と総合性

三年次に配置された学部共通科目に、「現代社会の諸問題」という科目があります。教養学部が学生に学び考えてもらいたい問題は「現代社会の諸問題」なのです。しかし現代社会の諸問題とは、何なのでしょうか。いじめや不登校にみられる教育の問題、経済のグローバル化による地域社会の疲弊の問題、高齢化社会における生き方と健康福祉の問題、自然破壊の問題と環境教育の可能性、どれをとっても今日を特徴づける「現代社会の諸問題」です。これらの問題には、重要性の度合いに違いはありません。しかもどの問題も、単一の学問で片がつく安易な問題ではないのです。つまり、ある特定の「現代社会の問題」に立ち向かうとすれば、隣接する複数の学問がそれに恊働して取り組まなければ、問題の本質は見えてこないのです。この学部が教育の特質として「学際性」をうたう理由がそこにあります。

だがしかし、隣接する学問が違う角度から同じ問題にアプローチするだけでは、けっして十分ではありません。互いの死角を補い合い議論を戦わせ、違う角度からの認識を咀嚼して他者の視点を獲得しなければ、それは単なる視点の寄せ集めでしかありません。「総合」が必要です。教養学部では、四年次のいわゆる卒論を「総合研究」と呼んでいます。違う分野の学問が一緒になって「総合研究」のグループを作ります。学生はそのグループに所属して視点の多角化をはからねばなりません。まさに卒業のための論文が「総合研究」なのです。この「総合研究」のグループは学科の垣根を飛び越えます。したがって「総合研究」は、学科の学問の専門性を磨くばかりか、問題の総合性に目覚めて学科間を自由に横断する研究とならなければならないのです。

個の成長に関心を注ぐ少人数教育

今日の社会は情報化社会と言われています。毎日、数限りない情報が飛び交っています。過剰な情報化の渦の中で、ひとりひとりの個人に対する情緒的な対応や人間的な関心が薄れてきています。他者に対する興味の希薄さや意図的な無関心さが、現代社会の人々の特徴的な態度となっています。このような無視と無関心は、教育にとって最大の害悪です。それゆえにこそ、教育が向かうべき目標は、ひとりひとりの個性への関心とその個性の成長とをできるかぎり眼差し掬い取ることにあります。組織と制度が許すかぎりで、教育は少人数教育とならねばなりません。そうでなければ、「心を育てる」ことなど不可能だからです。

教養学部は、教育のこうした課題に最大限、制度的な保障を与えようとしています。個の把握を目標とした「基礎演習」や「実習」系の科目が一年次から配置されているばかりではありません。カリキュラム外で、教員が学生との対話や様々な相談に乗る「チューター制度」が動いています。「演習」も七、八人の規模が普通となるよう、多くの専任教員が担当しております。教師と学生が互いの生を確認しながら一緒に走ることを可能にするような、そうしたきめ細かな教育への配慮が、教養学部には制度的に保障されているのです。

学生の人間的な成長を可能にする実践化

教養学部が地域構想学科を設立したのは、学問の実践化をことさらに強調しなければならなかったからです。今日の学生には深い意志が欠けているように見えるとは、よく言われることです。言うまでもありません。社会生活が便利で快適で安易になれば、「生きる」ことを深く問う必要などなくなるからです。しかし、いくら社会が便利になったからといって、「なぜ生きるのか」「どのように生きるのか」「何を学ぶのか」「どのように自分の価値を示していくのか」、こうした人間が抱える基本的な問題を避けていくことはできません。そしてそうした「問い」は、「現代社会の諸問題」をどのように認識するのかという問いを背景として、初めて具体的な生き生きとした姿をとってくるのです。

教養学部は,発足当初から「現代社会の諸問題」を学部の中心的な認識対象としてきました。その蓄積を基礎として、この認識の実践化に向けて新しい歩みを行おうと考えたわけです。だからこそ、地域構想学科は学問の方法の特徴として、現場主義・フィールドワークを挙げています。学生は、現場に出てつぶさに地域社会の喜怒哀楽に直面しなければなりません。それが、学生に問題の所在を具体的に教え、他者の経験を深め、自己の意志を強くさせる機会となるからです。学生がひとりの立派な社会人として,地域社会を支える人間的な個人となること、このことを教養学部は願っています。

地域構想学科が教養学部の生んだ子供であるとすれば、従来の三つの学科、人間科学科・言語文化学科・情報科学科は教養学部の生みの親、母体でした。教養学部の主体はこの母体にあります。その母と子が一緒になって、教養学部の理念を実現しようとしています。教養学部の教育の理念は、学生を一人の大人になるよう切磋琢磨することにありました。「より善く生きる」ことを生の目標とし人々とともになって社会を支える倫理的な人格となるよう促すことを、教養学部はめざしてきたのです。教養学部が、学部の名称として「教養」という名前にこだわる理由はそこにあります。今日、明確な形を持たなくなった「教養」という言葉に、新しい中身と皮袋を与えようと、教養学部は今後も努力していきたいと考えます。

このページの内容に関するお問い合わせ
東北学院大学 泉キャンパス学務係
〒981-3193 宮城県仙台市泉区天神沢2丁目1-1
TEL.022-375-1141 FAX.022-375-5050
E-mail:izgakm@mail.tohoku-gakuin.ac.jp
教養学部