東北学院大学

法学部

陶久教授のドイツ留学日記(68)

2016年07月25日

【ドイツ語―その3】
 このところ、事前にドイツ語文章を作って構えることをしなくなりました。今年の3月ごろまではそのようなことをしていたと記憶しています。しかし、その後はすっかりさぼってしまい、その場その場で行き当たりばったりの会話をしています。勿論、お決まりの表現を繰り返せばある程度時間が持つようにもなりました。と同時に、ドイツ語を話す機会が減ったという別の事情もあります。同僚が共同研究室に来ないと、一日中ドイツ語をしゃべる機会がありません。ですから、お店に買い物に行って「ハロー」と「チュス」だけ、という日もあります(=「ハロー」と「チュス」の世界、と命名しています)。160725-1-1.jpg
 おかげで、何かを急に話そうとするとしどろもどろになり、文章の形を整えることができず単語を並べるだけ、という甚だ情けないことも珍しくなくなりました。話しながら文章を作ろうとするのですが、スムーズにいかない場合もあるのです。そんな時は、ああいえばよかったと反省しながら完成文章を後で作り、それを次回に披露すべく、ストックするようにしています。相変わらず、よく聞けないというのが最大の問題であることは確かですが。
 それでも、あまり気にしなくなりました。私にとって大切なのは、自分の専門に関して文章を書き、話をし、逆に相手の言うことを理解できるというところにあります。この点さえ前進していれば、普段の生活で躓くことが多くてもそれはご愛敬。失敗もまた楽し。(写真は、ドイツ語に悩む外国人のことなど知ったことか、といった風情のコブ付きの木)

法学部教授
陶久利彦