東北学院大学

法学部

仙台地下鉄

2014年07月19日

「法曹養成実習Ⅰ」では、「自宅から大学まで通学する途中で見つけた面白いこと(もの)」をテーマに作文をしてもらうことがあります。仙台市地下鉄を素材にした文章を紹介します。

1.はじめに
 私が通学中に気が付いたことは、仙台市地下鉄を利用する乗客の共通性である。今春大学へ入学し、登校時間が日ごとに異なるようになった。朝のラッシュ時と重なる時刻に利用しなければならない1時限目から講義がある時刻と、それから外れる2時限目以降から講義がある時刻とでは利用人数は違う。だから込み具合も当然異なっているが、それを勘定に入れないでも共通性を見ることができた。以下では、その共通性により発生する問題とその解決策を挙げていく。

2.共通性と問題
 その共通性とは、列車の両端の車両が混雑する一方で中間の車両が空いているという事だ。私が利用する地下鉄の駅が仙台駅という最も混雑する駅なのでよりそれを感じ、問題も見えたのだろう。そしてその問題とは、朝のラッシュ時に列車に乗れない事がたまにあるという事である。泉中央行きは先頭車両に人が集中し、後続の人の移動の妨げとなってしまう。そして、朝は仙石線が到着した数分後に地下鉄も到着するというダイヤが多い。さらに、ホームの反対側を進み空いている中央に進もうとしても、ほぼ時を同じくして富沢行きの列車も来てしまう。つまり空いている中央の車両に乗るには、人の流れに逆らって進むという迷惑でもあり困難な事態に直面する。

3.混雑の原因
 それでは、混雑の原因は何だろうか。1つ目は、仙台駅に限ったことでいえば仙石線からの乗り換え口があるという事だ。この乗り換え口は、ホームの北側に位置している。上でも書いた通り、午前7時以降はあおば通駅に列車が到着した数分後に地下鉄仙台駅に列車が来るというダイヤが多い。専用乗り換え口が
あるとはいえ移動には時間がかかり、地下鉄のホームに着いてすぐ列車が来てしまうという事はよくある。結果、先頭の車両に乗らなければ間に合わないと殆どの人は考えそこに並び、後続の人はそれに阻まれ……というように人間の「栓」が出来上がってしまう。
 2つ目は駅の階段の設置場所だ。地下鉄の駅構内を見てみると、殆ど全ての階段が先頭もしくは最後尾に向かって伸びている。私は何度か様子を見てみたが、階段を降りた先で既に列車が来ていればすぐにその車両に乗る人が大半であった。中央の車両に乗るには、人の流れに逆らって進まなければならない。仮に進んでも、2つ3つ先のドアに入る乗客が多かった。また、列車が来ていない時も階段を降りてすぐの場所に並ぶ人が多く、わざわざ遠い中央車両まで行く人はほんの一握りであった。これは階段のすぐ近くであれば移動に便利だからだろう。そしてその階段の近くというのが、大体先頭もしくは最後尾の車両の近くであった。

4.解決するためには
 例えば仙台駅では先頭車両は混雑するので中程まで進むように、また泉中央行きは混雑する為富沢行きホームをまわって移動するようアナウンスされている。しかし、一度並んでしまったらそれから外れるのは憚られるのか動く人は少ない。そして、前述した人の「栓」によってアナウンスを聞いていたとしても動くに動けない人もいるはずである。
 そこで私は、乗客をホームに均等に誘導するためのロープを張る事を提案したい。なぜならロープであれば低予算で済む。混雑しなくなった時の片付けも容易だ。また駅の状況により各自で対応を選択できる。しかし、ロープを張った事で乗客の乗降が妨げられるという意見もあるだろう。だが、ロープを張り誘導する事で車両ごとの乗客数が平均化される。一部に集中する乗客で降りるのが邪魔される事が無くなり、スムーズな降車が可能となり、かえって効率が上がるのではないか。

5.おわりに
 以上が、私が通学中に気付いた問題とそれの解決策である。しかし、今回の検証は私が見た時間で判断した事だ。昼時や深夜、イベントがある日の状況が分からないので不十分だ。全ての時間帯、全てのケースでの解決とはならないが、一部であっても解決になればと思う。

1年生A.H.