東北学院大学

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平成24年度 文部科学省 「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」に本学研究プロジェクトが採択されました

2012年04月17日

 本学文学部歴史学科の谷口満教授が中心となって申請しておりました、平成24年度 文部科学省「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」が採択されました。

【研究プロジェクト名】

新時代における日中韓周縁域社会の宗教文化構造研究プロジェクト

【研究プロジェクトメンバー】
所属・職 研究者名 研究プロジェクトにおける研究課題

当該研究課題の成果が
研究プロジェクトに果たす役割

文学部・教授 谷口 満 古代長江上流域の民族と宗教 研究代表者・研究の統括
文学部・教授 熊谷公男 古代東北における仏教と在地信仰 研究分担者
文学部・教授 七海雅人 中世東北における祖先祭祀習俗 研究分担者
文学部・教授 榎森 進 アイヌ民族の信仰と社会規範 研究分担者
文学部・教授 菊池慶子 幕藩体制と東北地域の在地信仰 研究分担者
文学部・准教授 河西晃祐 日本植民地統治下の在地信仰 研究分担者
文学部・教授 下倉 渉 中国周縁域の関帝信仰と在地信仰 研究分担者
文学部・准教授 小沼孝博 中国西北周縁域の民族と宗教 研究分担者
文学部・教授 辻 秀人 東北沿岸部の古墳と宗教 研究分担者
文学部・教授 佐川正敏 韓国沿岸部の寺院遺跡 研究分担者
文学部・教授 政岡伸洋 韓国島嶼部の祭祀民俗 研究分担者
文学部・准教授 加藤幸治 東北沿岸部の民俗器物 研究分担者
経済学部・教授 仁昌寺正一 近世東北の開発と在地信仰 研究分担者
経済学部・教授 千葉昭彦 北海道の開発と宗教事情 研究分担者
経営学部・教授 斎藤善之 東北沿岸部の近世商業と信仰組織 研究分担者

【研究目的】

 本プロジェクトの目的は、生活環境のグローバル化にともなう現地住民の歴史意識の変化、資料処理技術の格段の進展、開発と災害による文化財の大量の変容・亡失、といった新時代の情況に応えて、日本東北部・中国西部・韓国島嶼部などのいわゆる周縁域の歴史事象のなかから、とくに信仰組織・葬祭習俗などの宗教文化事象を取り上げ、それら宗教事象の周縁域社会における文化構造を解明して、その研究成果を広く国内外に提示し、周縁域の地方拠点としての歴史をもつ仙台に、周縁域宗教文化史研究の研究拠点を築くことにある。内容においては、中央による周縁支配のための機能という単眼的な歴史観を克服して、住民意識の自律的な維持と展開に宗教がいかに機能していたかという、真に地域住民の自立性と主体性に視点をおいた研究を試行する点、方法においては、資料の収集・復原・保存及び研究の全工程を有機的に完遂しうるシステムを地方私立大学に構築する点が、その第一の意義である。

【研究体制】

 平成15~19年度オープンリサーチセンター整備事業「アジア流域文化論」研究プロジェクトを継承するために設置されたアジア流域文化研究所が活動の主体組織として主に研究部門を担当し、共同組織として平成19~21年度組織的な大学院教育改革推進プログラム「遺跡遺物資料処理技能開発の日中韓協同推進」を実施した文学研究科アジア文化史専攻が主に資料収集を、同じく平成21年に開設され22年度から博物館実習を開始している大学博物館が主に資料の復原・保存を担当する。運営は研究代表者、各専門分野それぞれ1名からなる運営委員会が統括し、そのもとに学外実習・博物館学芸作業をになう院生の組織として復原・保存委員会を設置して、各専門分野の教員と院生が、変容・亡失したあるいはしつつある在地宗教文化資料の収集・復原及び保存・研究の作業を、専門を横断して相互有機的に実施するとともに、その経過と成果を国内外の在地研究組織との協同のもとに検証する。

【年次計画】

 平成24年度:運営・実施機関の設置。東北三陸部の現地組織・重慶師範大学・韓国済州大学校との合同調査開始。シンポジウム「住民意識にもとづく周縁史研究」開催。
 平成25年度:「周縁域文物考古資料ハンドブック」の作成開始。国際シンポジウム「東アジア周縁域宗教文化研究ことはじめ」開催。
 平成26年度:公開展示「東北沿岸部震災地域の民俗資料」開催。シンポジウム「変亡資料の復原と保存」開催。東北三陸部現地組織・重慶師範大学・韓国済州大学校の研究者を招致して経過・成果の検証会開催。
 平成27年度:東北三陸部・中国長江上流域・韓国西南島嶼沿岸部・中国新疆地区の4グループに分かれて、現地で調査とシンポジウム。
 平成28年度:公開演奏及び公開展示「東アジア周縁地域の宗教伝説と宗教歌舞」開催。総括シンポジウム「東アジア周縁域宗教文化研究の新たなる地平」開催。

 研究成果は、東北学院大学論集「歴史と文化」などに掲載して毎年度公開する。

【研究期間】

5年

【その他】

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