東北学院大学

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電子工学科原明人教授の研究が「仙台経済界」7-8月号に紹介されました

2012年08月07日

  原教授の研究室では、ガラス基板やフレキシブル基板上に高性能・高機能を有するシリコン系薄膜トランジスタを実現する技術の研究を進めている。このデバイスは、次世代小型超高精細有機ELデイスプレイ、システムオンガラス(シートコンピュータ)、3次元LSIの実現に不可欠な半導体デバイスである。独自に開発した結晶成長技術を武器に、デバイス構造に工夫を加え、本学固体デバイス実験室を利用して世界トップレベルの性能を実現してきた。しかし、更なる性能向上、特性バラツキの低減を実現するためには、単結晶に近い品質を有するシリコン系薄膜を形成する必要がある。ただし、ガラス基板上に大面積に単結晶シリコン薄膜を形成することは不可能に近く、試行錯誤の結果、単結晶シリコンに近い疑似単結晶シリコン系薄膜を開発することに成功しました。

 この技術は、シリコン系太陽電池に展開が可能である。シリコン系太陽電池には、大きく分けて単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板を用いたもの、さらにはガラス基板上に形成された水素化非晶質シリコン薄膜や水素化微結晶シリコン薄膜を用いたものがある。単結晶や多結晶型シリコン基板を用いた太陽電池は、変換効率は高いが基板自体が非常に高価であるほか、これを作成する際の無駄も多くなっていた。一方、ガラス基板上のシリコン系薄膜太陽電池は安価であるが変換効率が低いという問題があった。ガラス基板上に大面積に単結晶シリコン系薄膜を形成できれば、ガラス基板上のシリコン系薄膜太陽電池の性能を飛躍的に向上できる可能性がある。今回紹介された記事は、この点が注目され「大学の最先端技術」として紹介されました。
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