『更地の向こう側--解散する集落「宿(しゅく)」の記憶地図』 宮城県気仙沼市唐桑町を舞台とした「津波で失われた集落の記憶と記録」を出版

2013年07月29日

 この度、東北学院大学研究者の学部横断研究プロジェクト「震災・原発に関わる研究または知的支援活動」の一つの成果として、宮城県気仙沼市唐桑町を舞台とした『更地の向こう側 解散する集落「宿(しゅく)」の記憶地図』が出版されました。
 本書の舞台は、東日本大震災による大津波で62世帯中54軒の家が流された宮城県気仙沼市唐桑町の集落「宿(しゅく)」。この集落は『津波による危険の著しい区域』を意味する「災害危険区域」に指定されました。やがて跡形もなく更地になってしまうこの集落は、東日本大震災の津波で「解散」の道をたどることになりました。
 東北学院大学トポフィリアプロジェクトは、文学部、経済学部、教養学部などの教員9名からなるチームです。経済学、地域社会学、農村社会学、民俗学、歴史学、人類学、言語学など学部・学科の壁を超える研究者が現地に入り、一年半にわたって「宿」の方々の語りに耳を傾けてきました。
 そんな多分野の研究者らが、過去にも幾度も津波の被害を受けながら、繰り返し港町として発展してきた歴史を聴き取り、更地の向こう側にある未来を見通すことをひとつのプロジェクトとして試みました。その結果、「宿」に暮らした人々の喜怒哀楽に彩られた生活を丹念に綴った書として結実したのです。ぜひ本書を手に取ってご覧ください。

 なお、本書の舞台となっている唐桑町は、震災の年の夏から続けられている、東北学院大学災害ボランティアステーションとネットワーク各大学による、ボランティア活動の場所でもあり、今回の『2013夏ボラ 夏季集中ボランティア気仙沼・唐桑町活動』の活動地域です。地域で育まれてきた生活文化の一端にふれながら、現地での活動を行うことで、より深く地域と関われると思います。

 本書は8月上旬発売で、東北学院大学生協各店でも購入できます。東北学院大学トポフィリアプロジェクトでは、8月のお盆明けに、取材に協力いただいた「宿」の皆さんへの贈呈式を開催する予定。日程が決まりましたら改めてお知らせいたします。

*トポフィリア
イーフー・トゥアンらが提唱した概念で「topos=場所+philia=愛着」から「人と、場所(トポス)または環境との間の情緒的な結びつき」、「人々が持つ場所(トポス)への愛着」という意味。

『更地の向こう側 解散する集落「宿」の記憶地図』
編著者 東北学院大学トポフィリアプロジェクト:
・経済学部経済学科 伊鹿倉正司 准教授
・教養学部地域構想学科  植田今日子 准教授(プロジェクト代表)
・経済学部共生社会経済学科  熊沢 由美 准教授
・教養学部言語文化学科  酒井 朋子 講師
・工学部環境建設工学科  櫻井 一弥 准教授
・教養学部地域構想学科  佐久間政広 教授
・教養学部地域構想学科  菅原 真枝 准教授
・文学部歴史学科  七海 雅人 教授
・教養学部言語文化学科  宮本 直規 講師
イラスト:綱本 武雄

ISBN978-4-7803-0620-0 C0039
判 型 B5判
ページ数 120頁
発行年月日 2013年08月
本体価格2,000円+税

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