東北学院大学

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歴史学科民俗学研究室特別企画 『地域の営みをいかに描くか ―震災前の暮らしと被災地の今をめぐって―』 開催

2014年09月29日

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 清々しい秋晴れとなった9月20日、土樋キャンパス押川記念ホールにおいて、東北学院大学文学部歴史学科民俗研究室主催の映画上映会&講演会「地域の営みをいかに描くか ―震災前の暮らしと被災地の今をめぐって―」が開催されました。
140929-1_01.jpg 「震災からの暮らしの3年間をどう見ればよいのか」と題した第一部の講演会では、本学文学部歴史学科民俗学研究室の政岡伸洋教授が登壇。東日本大震災後の3年間で調査を行った宮城県本吉郡南三陸町戸倉波伝谷における人の暮らしや地域の営みの移り変わりなどをわかりやすく紹介し、140929-1_02.jpg災害ばかりに目が向き、人の暮らしをどのように立て直さなければいけないのかという考えが希薄であること。そして、震災前の暮らしのあり方を軸としたときに何が求められ、何を協力できるのかを考える必要があること。そこでの暮らしをもう一度見つめ直すことなどが、これからの被災地を考えていくために必要ではないかと報告しました。
 続いて、映画『波伝谷に生きる人びと』が上映されました。この作品は、2008年3月に本学文学部歴史学科を卒業した我妻和樹監督のデビュー作であり、在学時に民俗学ゼミのフィールドワークで携わった、波伝谷の地域調査をきっかけに、卒業後からひとり波伝谷の人々の暮らしや文化などを撮り続けたドキュメンタリー映画で、上映後は会場に訪れた方々から惜しみない拍手が沸き起こりました。

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140929-1_07.jpg 我妻監督は上映後「私がこの映画を作ろうと思ったのは、在学時の調査報告書や卒業論文だけで伝えきれなかった波伝谷の人間関係でした。その波伝谷という小さな社会の中で生きている人たちの生き様を掘り下げていけば、人が生きるということはどういったことなのだろうという140929-1_06.jpg答えを見つけられるのではと思ったからです。波伝谷に暮らす一人ひとりがいきいきしている姿や独特の空気感を皆さんの感性で受け止めていただけたらいいですね」と挨拶しました。
 その後は、我妻監督が学生時代に共に調査へ出かけるなど大変お世話になったという東北歴史博物館の小谷竜介学芸員と政岡教授の3名での対談が行われ、無事に閉幕となりました。

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