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公開国際学術シンポジウム「日中韓周縁域の塩神信仰」開催 日中韓の塩にまつわる歴史・文化を発表

2014年11月10日

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 東北学院大学アジア流域文化研究所主催の公開国際学術シンポジウム「日中韓周縁域の塩神信仰」が、11月1日に土樋キャンパス631教室で開催されました。
141110-1_02.jpg 開演にあたり、本学・文学部の谷口満教授は「塩の神様が地域の振興にどのような役割を果たしているかなど、日本、中国、韓国の歴史に詳しい先生をお招きし、話をお聞きしたいと思っています」と挨拶しました。
 まず始めに、東北学院史資料センターの星洋和氏が「宮城県沿岸部の塩神神社」と題し、宮城県内の製塩の歴史を紹介しながら、塩と深い係わりを持つ県内の神社などについて141110-1_03.jpg調査報告しました。
 続く講演では、「中世の塩竈と塩竈大明神」と題して本学・文学部の七海雅人教授が登壇。中世における塩竈津の空間構成と塩竈神社の組織のあり方や塩竈大明神の広がりなどの歴史を振り返り、近世の塩竈がどのように発展してきたのかについても話がありました。
 講演の二人目に登壇したのは、韓国・國立海洋文化財研究所よりお越しいただいた郭儒皙氏。「南国西南部の製塩方法と塩業民俗」と題し、韓国西南部に伝わる煮塩や天日塩の製塩方法、塩は食するだけではなく清めにも使われているなど、日本と同じような民俗文化であることを紹介しました。

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韓国・國立海洋文化財研究所 郭儒皙氏   中国・重慶師範大学歴史与社会学院 鄧曉教授


 講演の三人目は、中国・重慶師範大学歴史与社会学院の鄧曉教授が登壇し、「長江三峡の産塩地と塩神信仰」と題して、かつて大海原であった中国の三峡地区は石器時代から天然の塩源を利用してきたことや時代の流れによって多様な塩神信仰が形成されてきたことなどについて解説されました。
 日本、韓国、中国ともに、塩に纏わるさまざまな話題が提供された今回のシンポジウム。これからも様々な角度からアジア流域文化において研究した成果を広く発信していきます。