東北学院大学

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「音楽の力~演奏家の視点から~」をテーマに「文化プロデュース」公開授業

2016年04月28日

160428-3_3.jpg 演出家・プロデューサー・ジャーナリストの三人と多彩なゲストによるリレー講義が名物となっている科目、言語文化学科の「文化プロデュース」が今年度も泉キャンパスで開講されています。第5回目の授業となる4月27日は、「音楽の力~演奏家の視点から~」をテーマに、履修者以外の学生も聴講できる公開形式で行われました。
 この日のゲスト講師は、仙台フィルハーモニー管弦楽団の木立至氏(オーボエ)と長谷川基氏(ヴィオラ)のお二人で、「オーケストラの中で花形ではなく目立たない存在」というそれぞれの楽器の特徴や音が出るしくみを紹介後、モーツァルト作曲「そよ風に寄せる歌」を演奏してくださり、心地よい旋律を聴きながら穏やかな雰囲気の中で授業がスタートしました。
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  演奏の後は、この講義のコーディネーターで、舞台プロデューサー・ソングライターの廣瀬純氏と言語文化学科の下館和巳教授が投げかける質問に演奏家としての視点でお二人が答えるという対話形式で進められ、音楽の世界を志すきっかけや、常に技術と心の準備を怠らないというプロとしての心がけなどを盛り込みながら話してくださいました。「音楽家にとって言葉とは?」という下館教授の問いかけには、人に何かを伝えるという意味では共通しているところが多く、イントネーションや話し方が音の出し方として表れるなど、音と言葉には密接な関係があることや、音楽にも訛りがあるなどの興味深い話を伺うことができました。
 オーケストラが仙台にある意義を語られる中では、東日本大震災後に仙台フィルハーモニー管弦楽団と地元音楽家有志で立ち上げた「音楽の力による復興センター」の活動にも触れ、被災地の人々を元気づけるはずの活動が、音楽家として自分達も勇気づけられることになり、音楽の力の大きさを確信したと語りました。また、関東出身のお二人にとって、仙台はスポーツや音楽が身近にあり、自分の興味に合わせていつでも体験できる恵まれた環境であることを強調され、自分のやりたいことをやり続けることの意義を、音による応援メッセージと共に伝えてくれました。
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 文化を創造していく過程と、文化を繋いでいく秘訣を学ぶことができるこの科目は、この後も趣向を凝らしたテーマの授業が準備されています。残念ながら、今年度の公開授業は今回のみとなりますが、言語文化学科の特色ある授業の一つとしてご紹介しました。