東北学院大学

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アジア流域文化研究所のメンバー、中国長江大学の学会に参加・発表

2017年10月02日

 9月23日・24日の2日間、中国長江大学で開催された「第三回楚文化国際学術研討会及び“長江流域の歴史と文化”に関する中国・日本研究者討論会」に、本学アジア流域文化研究所のメンバーとして歴史学科の谷口満教授・佐川正敏教授・政岡伸洋教授・下倉渉教授が参加し、研究発表を行うとともに、合同学術調査に参加しました。
 長江大学は、関羽をはじめとする三国志の英雄たちがしのぎをけずった、長江中流域の名城荊州市にあり、27の学部・研究科をもち、学生数約3万6千人・教職員約3100人を擁する一大総合大学です。荊州市の市民たちは、ここが三国志ゆかりの都市であることを大きな自慢にしていますが、また、ここが古代の長江中流域に繁栄を謳歌した楚国の中心地であったことも、自慢の一つになっています。そのため楚国の歴史・文化と三国時代の歴史・文化及び関連する長江流域の歴史・文化の研究が長江大学の重要な研究課題となっており、楚文化研究院(研究科)に属する教員・院生など多数の研究者がこの課題に取り組んできています。
 本学アジア流域文化研究所も、かねてからアムール川・北上川などとともに、長江を取り上げてその流域の歴史・文化研究に取り組んできており、そのような研究活動の一環として、今回長江大学楚文化研究院の主催に協賛するかたちで、4名の教員が参加・発表することになったものです。
 1日目は、まず開幕式で所長政岡教授がアジア流域文化研究所・アジア文化史専攻の研究活動を紹介したのち、全体研討会で谷口教授が「先秦時代の荊州」と題して、佐川教授が「長江流域の古代製瓦技術の特色とその朝鮮半島・日本への影響」と題して、分科研討会で下倉教授が「関羽の誕生日」と題して、それぞれ得意の分野で口頭発表しました。研討会終了後には、長江大学を訪問して“蘭台”と名づけられたホールで荊州地区の伝統戯曲“荊河戯”の表演を鑑賞しました。長江大学では、この地方演劇を保存・継承するために、教員や学生が地域の劇団と共同で練習と公演に取り組んでおり、今回、その一部が学会参加者を前に表演されました。
 2日目は、戦国時代の楚王の墓と想定されている熊家崗大墓のすぐ側で発掘された車馬坑、楚国都城の跡である紀南城遺跡、いまなお明代の城壁がほぼ完全に残っている荊州城など、いくつかの歴史遺跡を、学会参加者と長江大学の院生合同で参観・調査しました。
 研討会・現地調査には40名にも及ぶ長江大学の院生が参加しており、その活動の活発さには目をみはるものがありました。本学の院生もこういった学会に参加する機会が増えればと、心から願わずにはいられません。
 アジア流域文化研究所とアジア史専攻では、教員だけでなく今後は院生も国外学会に参加できるよう、研究活動計画を立てていきたいと思っています。

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