東北学院大学

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文部科学省・地(知)の拠点整備事業 :東北学院大学地域共生推進機構主催多文化共生部門講演会「障害者が始めた障害者支援 ゼロからのスタート ルワンダの20年を振り返る」開催報告

2018年01月24日

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 1月20日、「平成29年度 東北学院大学地域共生推進機構主催多文化共生部門講演会」が土樋キャンパスホーイ記念館ホールにおいて開催されました。

 この講演会は、文部科学省の「地(知)の拠点整備事業」として、外部機関との連携による多文化共生の現状把握と課題解決支援を目的に、当日は「障害者が始めた障害者支援 ゼロからのスタート ルワンダの20年を振り返る」をテーマに開かれました。

 地域共生推進機構多文化共生部門長で共生社会経済学科の石川真作准教授の進行のもと、最初に元共生社会経済学科の野崎明名誉教授から、講師であるガテラ・ルダシングワ・エマニュエル氏とルダシングワ(吉田)真美さんのお二人のプロフィールと、お二人が立ち上げた『NGOムリンディ・ジャパン・ワンラブ・プロジェクト』について紹介がなされました。

 講演会では、義肢装具士資格を取得し、20年にわたりルワンダの障害者に義足を無償提供している『NGOムリンディ・ジャパン・ワンラブ・プロジェクト』の人材育成や就労支援等の取り組みについて、お二人から日本語とスワヒリ語を交えて講演が行われました。

 ルワンダでは、ヨーロッパ諸国の植民地政策という間違った政治のために、国民が3つの民族に分けられ、憎しみの感情を教えられ、国民同士が殺し合う悲劇が起こりました。その結果手足に障害を負い、不自由を余儀なくされている人たちも多く存在し、その悲劇が2度と起こらないように願いを込めて、お二人は「ワンラブ―ひとつになって愛し合おう」と言うプロジェクトを立ち上げ、肉体的・精神的・経済的に自立できるように活動を行い続け、その活動のひとつとして障害者への義足の供給ができる活動を現在も続けていますと報告がありました。

 会場には約130名の参加者が集まり、ルワンダでの現状に熱心に耳を傾け、最後に行われた質疑応答では、二人の学生から「義肢装具士になるための技術習得にはどれくらいの期間が必要になるのか」また「プロジェクトの活動を、義足を必要とする人々に知らせる手段は何ですか」などの質問があり、技術習得には最低3年の年月が必要で、情報の発信にはラジオが効果的であると、経験を踏まえた報告がなされました。

 最後にワンラブ・プロジェクトの協力者でもある東北福祉大学の石野莞司先生から、お二人の活動報告において、常に新しいチャレンジに取り組んでいることの素晴らしさを総括していただき、講演会を終了いたしました。

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