東北学院大学

Language

新着情報

時代の音「誰がためにクァルテットは響く」2017年度シリーズ最終公演 「未来から来た響き」開催報告

2018年02月09日

 「誰がためにクァルテットは響く」と題し、4名の奏者を招いたレクチャーコンサート・シリーズ(全3回)を開催してきた2017年度の「音楽への招待時代の音」。シリーズを締めくくる第3回公演が、2月4日、ラーハウザー東北学院礼拝堂にて開催されました。演奏は古典四重奏団QUARTETTO CLASSICO(第1ヴァイオリン川原千真、第2ヴァイオリン花崎淳生、ヴィオラ三輪真樹、チェロ田崎瑞博)の皆さんです。
 冒頭、今井奈緒子教授が「ドビュッシー没後100年。バルトークは1945年没で、モーツァルトやベートーベンと比べて私たちに時代が近い作曲家たちです。バルトークの音楽は難解というイメージかもしれませんが、リハーサルを拝聴して、理解するというよりもその響きに身を委ねてみると、とても面白いと感じました。本日も素晴らしいアンサンブルを存分にお楽しみください」とあいさつし、演奏者をステージに招きました。
 本公演のテーマは「未来から来た響き」。田崎氏が講師を務めたレクチャーの前半では、ヴァーグナーの楽劇や、ドビュッシーがマラルメの詩に作曲した出世作「牧神の午後への前奏曲」などの一節をモデルに、この時代の「音」を紹介。続いてドビュッシーの弦楽四重奏曲ト短調が演奏され、斬新かつ心地よい、美しいハーモニーでオーディエンスを魅了しました。
 休憩を挟んだ後半はストラヴィンスキーとヴェーベルンを紹介、そしてバルトークについては、音を滑らせるように奏でるグリッサンド、指で駒から弦を擦るスル・ポンティチェロ、指で弦を弾くピツィカート・アルペジオ、指で弦を持ち上げて強く叩くバルトーク・ピツィカートといった特殊奏法を披露。バルトークのハーモニーについては「すべての音が積み重ねられ、森の中を彷徨っているような空気感である」と、デモンストレーションを交えながらのレクチャーは、その後に通して演奏される弦楽四重奏曲第4番への期待を高めます。
 最後に田崎氏は「バルトークの音楽は、人造物とは思えないほど精巧で自然に作られていると思います。ヨーロッパ音楽は二小節や四拍子などの整数が多い。しかし、バルトークの音楽は素数でできているので、自然の原理に適っているのです」と語りました。すべてを暗譜で、圧巻とも言える演奏を披露した古典四重奏団。感動と賞賛の拍手にアンコール曲(バルトークのピアノ曲「スケッチ集」より)で応え、再び惜しみない拍手に包まれながら公演の幕は下ろされました。

180209-4_01.jpg 180209-4_02.jpg 180209-4_03.jpg
180209-4_04.jpg 180209-4_05.jpg 180209-4_06.jpg
180209-4_07.jpg