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【英語英文学研究所定例公開講演会】感情の可視化と黒人女性の不可視化

2012年10月18日

感情の可視化と黒人女性の不可視化
―劇場版『オルノーコ』の上演戦略― 

英語英文学研究所定例公開講演会

 イギリス初の女性劇作家アフラ・ベインは、散文作品においても功績を残しているが、なかでも『オルノーコ』は、1688 年の出版以来今日まで多方面からの関心を集めてきた。奴隷として売られた黒人の王族を主人公に据え、運命に引き裂かれるアフリカ人男女の悲恋を描いた小品で、18 世紀を通じて折に触れ増刷されて読まれ続けた一方、他の演劇作家たちによって舞台版へと書きかえられ、劇団のレパートリーとしても重要な位置を占め続けた。1695 年にトマス・サザンによる最初の舞台版翻案がなされたとき、『オルノーコ』には一つの決定的な変更が加えられる。すなわち、ヒロインのイモインダが、原作の黒人から白人へと設定が変えられてしまうのである。なぜこのような改変がなされたのかについては盛んに議論されてきた。本発表では、従来の議論を紹介しつつ、『オルノーコ』上演面での諸要素を考慮に入れ、受容論的な立場から説明を試みる。観客の中にある種の感情を喚起させ、観客にそれを発散させ、劇場全体でそれを共有し合うことが、この劇の上演戦略であり、その目的のためにイモインダは白人へと変えられねばならなかったことを最終的に確認したい。

■ 日時 : 平成24年11月10日(土) 16:20~17:50

■ 会場 : 土樋キャンパス6号館4階 642教室

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             LECTURER                                          講師 


本学文学部英文学科准教授
福士 航 (ふくし わたる)  

  

○募集人数 100 名
○対  象 どなたでも受講できます
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○受 講 料 無料
○主  催  東北学院大学 英語英文学研究所
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