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【英語英文学研究所学術講演会】日本語を母語とする英語学習者の文法知識とその使用

2012年09月12日

日本語を母語とする英語学習者の文法知識とその使用


英語英文学研究所学術講演会

 本講演では、日本語母語話者の英語使用に見られる特徴から、その基となる言語知識と使用システムの解明を試みるとともに、さらにそこから英語教育に対して何が言えるかを考えたい。
 前半では、まず初期の英語の文法形態素習得や否定表現使用に関する研究を見て、外国語の学習が「理解して覚えてそれを使う」という形には留まっていないこと、および、学習者が自分自身の頭に英語の知識と使用のシステム(中間言語文法)を構築していると考えられることを示す。次に、1980 年代から盛んに行われるようになった言語理論(特に生成文法理論)に基づく研究を紹介し、第二言語学習者が「習っていない規則」を「ある法則に則って」作り出していることを明らかにし、学習者の言語使用の分析には、学習者の持つ「知識」に関するモデルが、決定的な役割を果たすことを示す。後半は、三単現の‑s に関する研究をいくつか紹介し、そのデータから、3 単元の‑s の使用の誤りは「練習不足や注意不足が原因だ」などと簡単に片づけられるものではないこと、「中学生のうちに 3 単元の‑sぐらいはできるようにしておいてくれよ」という高校教師の要望は(少なくとも口頭でのやり取りについては)おそらく叶えられないことを示し、さらに、これらの研究から、「コミュニケーションのための英語」の教育への示唆を考えたい。

■ 日時 : 平成24年10月20日(土)  16:20~17:50
■ 会場 : 土樋キャンパス8号館4階 841教室


        LECTURER                        講師            



   中央大学文学部教授  若林 茂則 氏 (わかばやし しげのり)


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