東北学院大学

新着情報

【文学部総合人文学科主催公開講演会】一神教、イコノクラスム、物質文化(7/6開催)

2019年06月05日

一神教、イコノクラスム、物質文化

文学部総合人文学科主催公開講演会

申込不要   無 料   土 樋


日時:2019年7月6日(土) 14:00~16:30
会場:土樋キャンパス ホーイ記念館ホール

oc2019sp-15_1.jpg
クリックしてPDF表示(1.25MB)


 美術の破壊は、8世紀ビザンティンや16世紀宗教改革、18世紀フランス革命の昔のことではなく、2001年のニューヨーク貿易センタービルの破壊、バーミヤンの石仏破壊によって改めて喫緊の問題となった。物質文化を肯定する根拠がなければ破壊に抗することはできない。西洋ではそれは旧約聖書と新約聖書によって基礎付けられていると考えられる。わが国では、既に13世紀初頭に鴨長明が『方丈記』のなかで一丈(3メートル)四方の間での生活を提唱している。そこには仏典と仏画と楽器しかない。20世紀においても坂口安吾(1906-55)は「無きに如かざるの精神」を記す(『日本文化私観』1942年)。わが国における物質文化はどうあるべきか。このことは2011年の東日本大震災で大量の物質文化の破壊を経験した我々にとっての復興のあり方を考えることでもある。近代的な歴史的復興か、あるいは永遠を目ざす創造的破壊か。ラスキン(1819-1900)かあるいは、ヴィオレ・ル・デュク(1814-1879)か?そこにはキリスト教の唯物論と仏教の不可知論が関わっているはずである。『芸術の破壊(Destruction ofArt)』(1997年)の著作で名高い研究者であるガンボーニ氏をお迎えして、この重要問題について考察するに、東日本大震災の被災地ほどふさわしい場所はない。

 

 LECTURER 講 師
 

更地論:日本の物質文化
本学文学部教授  鐸木 道剛 
(すずき みちたか)

【講師略歴】
1950年大阪生まれ。1974年東京大学文学部卒業。1976年よりユーゴスラビア政府給費留学生としてベオグラード大学留学を経て、東京大学大学院博士課程中退。1980年より岡山大学助手。岡山大学教授を経て、2016年より現職。1993年「辻荘一・三浦アンナ記念学術奨励金」(立教大学)受賞、2011年「セルビア国旗勲章第三等級章」受勲。主著に『イコン:ビザンティン世界からロシア、日本へ』(毎日新聞社、1993年)、『山下りん研究』(岡山大学文学部研究叢書、2013年)など。
 

"Creative Destruction",
Preservation, and Memory

ジュネーヴ大学教授  Dario Gamboni 氏
(ダリオ・ガンボーニ)

【講師略歴】
1954年イヴェルドン(スイス)生まれ。ローザンヌ大学(スイス)と国立社会科学高等研究院(フランス)で美術史を学ぶ。1989年にルドン研究によって博士号を取得。リヨン第2大学(フランス)、ケース・ウエスタン・リザーヴ大学(アメリカ、クリーブランド)、アムステルダム大学(オランダ)で教授を務めた後、2004年よりジュネーヴ大学(スイス)美術史学教授。主著に『芸術の破壊(Destruction of Art: iconoclasm and vandalism since the French Revolution)』(Yale University Press, 1997年)、『潜在的イメージ:モダン・アートの曖昧性と不確定性』(三元社、2007年)、『<画家>の誕生:ルドンと文学』(藤原書店、2012年)など。

 


対 象   どなたでも受講できます
申込方法   直接会場にお越しください
受講料   無料
主 催   東北学院大学 文学部総合人文学科
問合せ先


 
  東北学院大学 研究ブランディング事業推進室
TEL・FAX 022‑264‑6547
E‑mail:branding@mail.tohoku-gakuin.ac.jp