東北学院大学

取り組み・活動

TG Grand Vision 150(東北学院大学中期計画)

東北学院大学2023年度重点項目

2023年度東北学院大学を表す聖句は、エフェソ信徒への手紙第4章2節から4節(聖書協会共同訳)とし、学長重点項目及び重点項目を以下に示す。

「謙遜と柔和の限りを尽くし、寛容を示し、愛をもって互いに耐え忍び、平和の絆で結ばれて霊による一致を保つよう熱心に努めなさい。体は一つ、霊は一つです。それは、あなたがたが、一つの希望にあずかるようにと招かれたのと同じです」

この聖句は、キリストにある組織原理を示したものである。東北学院大学は、2023年4月より新しいキャンパス、新しい学部、新しい教学上の事務組織を発足させ、新しい時代や地域の要請に応えようとしている。それに対して世間の評価が高まり、より質の高い、多くの受験生が本学を受験した。2023年度は、わたしたちの教育研究実施組織を着実に運営していくことによって、そのような評価や信頼に応えることができるような年であるべきだと考える。この聖句は、そのようなわたしたちにとって必要な組織原理を指し示してくれている聖書の言葉である。

また、学校法人東北学院は、創立年と、建学の精神に基づくスクールモットーを刻んだブランドマークを新たに制定した。設置学校のひとつとして、大学もこのブランドマークを使用することにより、私たちの教育研究の基盤にあるものを明らかにしながら、新しい時代や課題に挑戦していくこととしたい。

そこで、2023年度はTG Grand Vision 150第Ⅱ期中期計画(2021年度-2025年度)(以下、「TGGV150」という)に従って、2023年度の特別重点項目及び重点項目を設定する。この計画は、創立150年となる2036年度に向けたグランドデザインであり、5年ごとの到達目標であるKGI(重要目標達成指標:Key Goal Indicator)に対し、年度計画となるKPI(重要業績評価指標:Key Performance Indicator)を設定し、毎年度の進捗及び成果を評価し継続的な改善により本学の発展につなげるものである。

1. 特別重点施策
1.1 教育・研究
学位授与の方針に掲げる知識と能力を兼ね備えた人材を輩出するために、教育内容の充実を図り、社会に求められる人材を育成する。

2023年度は、キャンパス統合が実施され、ソフト面では教養教育改革を含む新しい教育課程が全学で実施される。この改革はあくまでもスタートであり、東北学院大学の建学の精神を体現し、学修者本位の教育、幅広い知識と教養、専門教育による知識と技能の修得を目指すものである。つまり、学修者である学生が「何を学び身につけたか」を自ら説明できるよう、不断の教育改革を進めていかなければならない。

そのためには、「建学の精神」、「教育の理念・目的」、「教学上の三つの方針」に沿った教育を実現するためのアセスメントプランの実行と、教養教育と専門教育の有機的接続、そしてONE CAMPUSのメリットを生かした「文理融合」の教育を進める必要がある。これによって、より多様な人材を育成し、社会に貢献できる人材を輩出していくであろう。

また、2022年度に採択された文部科学省「デジタルと掛けるダブルメジャー大学院教育構築事業」は、東北の地域経済発展を担うデータサイエンス人材育成が目的であり、2023年度大学院改革の最重点項目となるので、確実な成果を求めたい。

TGGV150 No.

B202
内部質保証のためのアセスメントプランの着実な実行
実施主体部署:政策支援IR課、各学部
B203
「東北学院の教育方針」(押川(1891))を基礎とし、時代に即した教学組織編成と教養教育及び専門教育が接続した教育の提供
実施主体部署:教学組織改編推進室
B204
高等教育開発におけるインストラクショナルデザインと体系的なFDプログラムの構築と運用
実施主体部署:高等教育開発室、各学部
B205
教養教育と専門教育の接続を有機的に行い、キャンパス統合のメリット及び総合大学としての強みを活かした東北学院大学の教育力の向上
実施主体部署:教養教育センター、各学部
B232
大学院教育の抜本的改革の実現
実施主体部署:大学院委員会、経済学研究科
研究体制の整備及び研究活動の活性化により、独創的かつ先進的な研究を創出する。

本学では、キャンパス統合を契機として、研究力の強化も進めていく必要がある。そのため、2023年度には研究支援部が設置され、産学官連携を通じた特色ある研究や産学官ネットワークの構築、連携プロジェクトを推進する予定である。2022年度は仕組みの検討等に着手する年度としていたが、2023年度には具体的な仕組みの構築と成果を指標とするように計画を見直し、着実に実行すること。

TGGV150 No.

B212
産学官連携による共同研究強化
実施主体部署:研究機関事務課
学長のリーダーシップにより、建学の精神を基礎とした学位授与の方針に即した効率的かつ効果的な教育を実施する。

2023年度入学生より、「TG-folio」の運用が開始され、学生生活を通じた目標とその過程を綴ることとなる。その結果としてディプロマサプリメントが発行され、学生の進路・就職支援の一助となる。そこで、新たに設置された学修支援課では「TG-folio」を学生生活において日常的に利活用できるような支援を実行し、各学部では「TG-folio」を活用した学修指導方法を教学改革推進委員会等で報告していただきたい。

TGGV150 No.

B215
学修成果可視化のためのe-Portfolioの構築と運用
実施主体部署:学修支援課、各学部
内部質保証体制の整備と学修成果を可視化するための指標設定

学生による授業改善のための学生アンケートをはじめとする学生調査、外部の標準化されたアセスメントテスト(GPS-Academic)の受験率や回収率を高め、その結果を継続的な改善に活用すること。また、その結果を必要に応じて学内または学生等に公開し、本学の内部質保証と学修成果を可視化することで「TG-folio」に対する学生の関心を高めること。

TGGV150 No.

B202
内部質保証のためのアセスメントプランの着実な実行
実施主体部署:政策支援IR課、各学部
B215
学修成果可視化のためのe-Portfolioの構築と運用
実施主体部署:学修支援課、各学部

※本特別重点項目は、2023年度追加項目であり、B202及びB215の施策を鑑みて、実現すること。

学生支援の充実により、学生が安心して入学から卒業までの学生生活を送ることができる。

本学のラーニング・コモンズ「コラトリエ」は土樋及び五橋キャンパスに、全国屈指の施設を構え、学務部学修支援課の設置により、学修支援の環境整備を実現した。

この環境を学生が十分に活用するため、ラーニング・コモンズを中心に学修支援をより充実させるための発展の年度とする。

第Ⅱ期中期計画の目標設定時点と、2023年度の現状との間には、キャンパス統合に伴う大きな変化があったため、必要に応じて計画の変更や追加を行い、具体的な実行計画と成果を求める。

TGGV150 No.

B217
学生の能力を向上させるための教学支援の体制構築、実行
実施主体部署:ラーニング・コモンズ、情報処理センター、各学部
1.2 社会貢献
地域の課題解決を図る社会貢献型事業を展開することによって、地域の持続的発展に貢献する。

本学は、地域に根ざした大学であり、ボランティア活動の強化を図り、地域の持続的な発展に貢献することを目指している。地域のニーズと学生のボランティア活動をマッチングする仕組みを作ることは、教育・研究活動とともに、大学に求められる社会貢献活動の一環である。地域連携センター及び地域連携課を中心に、第Ⅰ期計画から続く総合ボランティアステーション(TG-VNET)計画を実行に移す年度とする。また、学生の正課及び正課外教育における地域フィールドワークを活発に行い、「地域へ 世界へ よく生きる心が育つ東北学院」の実現に向け実行計画を着実に進めること。

TGGV150 No.

B220
地域の持続的発展に貢献するためのボランティアステーションの体制強化
実施主体部署:地域連携課、地域連携センター
B222
地域連携強化及び地域貢献に繋げるための正課・正課外における地域フィールドワークの実施
実施主体部署:地域連携センター、各学部
B224
地域社会との共生をめざした企画・運営の検討・実施
実施主体部署:地域連携課、学生課、政策支援IR課
1.3 管理運営
併設高校との高大接続教育の推進

2025年度の併設高校からTG推薦希望者が急増する予測は変わらない。これまでも、東北学院高等学校や東北学院榴ケ岡高等学校の生徒に対して、プレカレッジやTGタイムなど、本学の教職員が様々な入学前教育を実施しているが、TG推薦入学の学生には、学内の良きリーダーとして活躍することを期待している。

そのため、両高校の推薦入学者は、大学入学をゴールとするのではなく、大学で深く学び、卒業後の進路や就職先を見据えた学部学科の選択が必要である。両校と連携してTG推薦入学者の質の向上を図るよう、政策支援IR課を中心として各学部が協力して実行していくこと。

TGGV150 No.

B227
設置校からの入学者の質的向上と定員の確保
実施主体部署:政策支援IR課、各学部
2. 重点施策
2.1 教育・研究
国際化を推進することにより、グローバル社会に適用する人材を育成する。

2023年度より英語教育センターから教養教育センター外国語教育部門に機能を継承して「英語の東北学院」を支えることになる。2023年度入学生の学位授与の方針においても「高度な知的活動に必要な汎用的諸技能・能力及び英語力を活用できる」という学修成果が示されており、必修単位の英語教育のみならず正課及び正課外において、英語力を習得し活用できる環境を整備する必要がある。そのため、学位授与の方針が目指す「英語力」を設定し、その習得のための教育プログラムの具体的な施策を検討し、実行に移すこと。

TGGV150 No.

B209
英語力向上のための教育プログラムの見直し、強化
実施主体部署:教養教育センター外国語教育部門
ICTを活用した教育・学習環境の実現とBYOD(Bring Your Own Device)導入による多様な授業形態の提供

「TG-folio」の活用や、LMS(Learning Management System)を活用した授業の展開、オンデマンド授業など、BYODの実現は、より効果的かつ効率的な教育方法を構築することにも貢献している。2023年度も引き続きこの方針に変更はなく、情報処理センターの教育的役割を活かしてICT(Information and Communication Technology)を活用した教育をさらに高める施策を実行すること。

TGGV150 No.

B214
ICTを活用した教育・学習環境の実現とBYOD(Bring Your Own Device)導入による多様な授業形態の提供
実施主体部署:教養教育センター情報数理・教育部門、情報システム課、各学部
学生支援の充実により、学生が安心して入学から卒業までの学生生活を送ることができる。

昨年度に引き続き、給付型奨学金の拡充、心身に関する相談体制及び課外活動支援を強化し、学生の資質・能力を向上させる。また、ポストコロナ時代において、東北学院大学らしく「一人の学生も迷うことなく」、コロナ渦では得られなかった入学時に思い描いていた学生生活を取り戻し、東北学院大学の学びの満足度や学生生活の充実度の向上を目指す施策を講じて頂きたい。

学生が自ら最適な進路・就職の選択ができるよう大学院進学支援、就職支援講座の開設や、オンラインも活用した就職指導などの充実を図って頂きたい。

TGGV150 No.

B218
充実した学生生活を送るための学生支援体制の整備
実施主体部署:学生課、学生総合保健支援課
B219
学生を最適な進路に導くための就職支援体制の強化
実施主体部署:就職キャリア支援課、教務課(教職課程センター)、学生健康支援課
2.2 社会貢献
生涯の学びの場を提供することによって、地域社会の多様な学修意欲を喚起する。

2023年度は、ポストコロナ時代における本学の研究・教育の社会への還元を実現する必要がある。そのため、地域社会の多様な学習意欲を喚起する事業を再開して頂きたい。また、2021年度から掲げているリカレント教育センター(仮)の設置検討、公開講座の情報等の一元化、幅広い層への公開講座の実施、地域住民等への再就職支援プログラムの実施、広報活動の成果等を具体的な明示を行うこと。

加えて、学内の研究成果を一般に示すことを目的として、東北学院大学MOOC(massive open online course)の構築と公開は、検討から実行に移すこと。

TGGV150 No.

B223
地域社会の幅広い年齢層に向けたリカレント教育の体制構築
実施主体部署:地域連携課、研究機関事務課
2.3 管理運営
マーケットエリアの拡大と志願者層の引き上げ

2023年度入試の総志願者数は14,488名の結果を成し遂げることができた。そのような中で2023年度入試では全国的にこれまで以上に年内入試の出願傾向が高まった。また、2024年度入試を受験する東北地方の18歳人口は、2023年度入試と比して約3,500名減(文部科学省「学校基本調査(確定値)」)となる予測である。

これまでキャンパス統合と新学部学科設置のみならず、ONE CAMPUSの特性を活かした分野を超えた学びや、時代・地域のニーズに叶った東北学院大学の魅力を発信することで、志願者数の増加と上位層志願者の取り込みが実現できていたが、2024年度入試においても同様に「受験生に選ばれる大学」として、広い地域からの受験生の獲得と、志願者層のレベルを高めていきたい。そのため、上位層受験者が競合大学に逃げないための入学手続の促進と、北海道、北関東を含めたマーケットエリアの拡大を目的とした施策を実行していきたい。

TGGV150 No.

B226
東北地方以外からの志願者数を確保するための広報活動の充実
実施主体部署:アドミッションズ・オフィス

TG Grand Vision 150 東北学院中長期計画及び第Ⅱ期中期計画
(2021~2025年度)

TG Grand Vision150東北学院中長期計画及び第Ⅱ期中期計画(2021~2025年度) (PDF:4.9MB)