御厨貴氏“災後”を語る

講座「震災と文学」今回は12月18日(月)に東京大学先端科学研究所の御厨貴氏が「近現代史と“災後”と題して語られました。
御厨貴氏といえば、最近決定を見た、天皇退位の検討会議の座長代理を務められ、メディアでスポークスマンとしておなじみとなりました。今上天皇の強い意志を尊重した結果を導き出したものと思われますが、御厨貴氏は本来は政治学者で高名です。そして今回講座でお招きした理由は、東日本大震災後、被災した自治体を精力的に回り、復興の姿勢、実践について調査分析して、他の自治体の構想のための共有情報とされようとしていることです。
氏のキーワードは“災後”。氏の造語でしょうが、大災害を風化させず、しかも復興をあきらめてはならない、というメッセージ性が込められた用語です。様々な自治体の例が取り上げられ興味深くうかがいました。御厨氏は復興の現場で働くと言うより、復興計画を進める自治体行政組織からの聞き取り、で問題点を探り出します。多くを聞き出すことによって、批判点を知り、さらに生じる他の災害-熊本地震-への有益な情報バンクをも提供出来ることになります。今後は福島に入って、原発事故という他県にない問題をもつ自治体からの聞き取り、が構想されているそうです。
最後に氏は、災害被災地と被災者に心を寄せ、現地に赴き被災者に聴く、天皇皇后の一貫した姿勢を、太平洋の激戦地を訪問されたことと合わせて高く評価されました。このことは私も強く感じていました。首相や大統領などには全く出来ないことをおやりになっている、と。