東北学院大学

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工学部 機械知能工学科

学科長あいさつ

未来の産業を支える機械の技術者を目指す
〜最新の機械工学をより広くより深く学べる〜

機械知能工学科長
機械知能工学科長
小野 憲文

「機械」の進化は人類の歩みとともにあります。そして、その定義も時代とともに移り変わっているのです。例えば、機械の中でも人類の歴史上高い精度を求められたもののひとつに「時計」があります。複数の歯車を組み合わせた複雑な機構を持つ高精度の「機械式時計」は非常に高級なものでした。20世紀後半になりますと水晶振動子を用いた「クォーツ時計」が普及し始め、これは電気で動作します。よって、クォーツの「アナログ表示時計」は機械と電気が融合したもの(メカトロニクス)になります。さらに近年普及している「電波時計」は外部の電波を受信して誤差を修正します。これは自身の機構的精度向上ではなく、通信ネットワーク機能により修正力を高めているのです。すなわち、未来の機械には自律した動作(これだけでもすごいことですが)に加え「人の振り見て我が振り直せ」のような他との連携的動作も求められ、「知能」との融合が不可欠な状況となっているのです。このような機械の定義の拡大・修正に対応した現代版の機械工学を学べる場が必要となっています。

その機械工学では、従来、その基礎となる四力(「材料力学」、「熱力学」、「流体力学」、「機械力学」)と呼ばれる4つの力学の修得が不可欠とされております。これらの応用について乗用車を例にしますと、順にボディの強度維持・エンジン性能改善・空気抵抗低減・防振などがすぐに挙げられ、機械工学の応用面で、いかに四力が重要であるかをイメージしていただけることと考えます。そしてこの四力の基礎を修得していることが機械工学卒業者として機械系企業が求める人材でもあり、本科でも従来力を入れている領域であります。また、これらを踏まえた上での設計・製図、機械加工の分野も広く修得可能となっております。

一方、機械工学まわりで最近特に注目を浴びている技術にAI(人工知能)があります。その搭載例としては自動車の自動運転が有名です。この実現には自動運転車に搭載するレーダー、ビデオカメラのようなセンサによる制御ばかりでなく通信ネットワークからの情報取得も必要と考えられます。よって、従来の機械工学の領域に加え、より電気・電子の分野とも結びついた技術の修得も必要です。これに対応するため本科では「メカトロニクス」、「制御工学」、「ロボット工学」なども学べるようになっております。

さらに、我が国では超少子高齢化社会問題を抱えており、より「人」と「機械」との接点を重要視した新しい機械工学領域への対応も重要になってきております。本科では、生体を機械工学的に解析し生体と機械の共存をはかる学問である「生体機械工学」、どのような人でも直感的に扱うことができる設計の「ユニバーサルデザイン」、人間・機械間の伝達に関する「ヒューマンマシンインターフェイス」といった科目を学ぶことも可能です。

機械工学の領域は日々広がっています。機械知能学科では、広く知られている従来の機械工学を網羅しつつ、学生自身がより広くより深く興味・関心のある分野を修得できるガイドとして4つの専門コース(スマートデザイン、グリーンエナジーシステム、バイオロボティクス、メカノエンジニアリング)を設けております。この本科のコースは専門分野に属する科目の修得単位数に応じて卒業時に4つの中から1つが認定されるものです。これらの学びから、豊な知識・考察力を身につけ、新しい想像力を備えた未来の産業を支える機械の技術者を目指していただきたいと考えます。