東北学院大学

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東北文化研究所

考古学分野・民俗学分野・地理学分野

考古学分野

考古分野で近年実施している発掘調査は、旧石器時代の宮城県村田町賀篭沢遺跡、古墳時代の福島県南相馬市与太郎内古墳、鎌倉時代の宮城県栗原市仰ヶ返り地蔵前遺跡(瓦窯)である。このほかに、中国科学院古脊椎動物與古人類研究所と共同で行っている中国泥河湾盆地の旧石器時代遺跡の編年研究、中国社会科学院考古研究所と共同で行っている内モンゴルの新石器時代細石刃技術の研究、日韓前方後円墳の比較研究、東北日本の古代土器の比較研究、東北アジア中世瓦の技術学的研究などの研究課題に取り組んでいる。 また、本研究所では、多くの考古資料を6号館の資料室に保管している。保管資料は、本学歴史学科の収集資料、考古学研究部収集・発掘資料、あるいは宮城県などの行政機関から委託を受けて発掘調査を行い、整理・研究のために保管中の資料などである。主な保管資料は以下の通りとなっている。

仰ヶ返り地蔵前遺跡の発掘調査
仰ヶ返り地蔵前遺跡の発掘調査
保管資料 箱数
里浜貝塚:縄文土器など 24
西浜貝塚:縄文土器など 251
館ヶ崎製塩遺跡:製塩土器 23
安養寺下囲窯跡:瓦 122
安養寺中囲窯跡:瓦など 35
蟹沢窯跡:瓦 145
熊野堂遺跡:瓦など 124
鳥屋三角田南窯跡:土器など 23
その他 390
合計 1137

民俗学分野

東北地方は、民俗学にとってきわめて重要な地域である。古くは柳田國男の『遠野物語』をはじめとして、近年では東北学の影響もあって古くからの歴史的連続性を軸に論じる研究が注目を集める反面、観光や地域おこしとの関連といった民俗の現代的実践とその意義に関する研究でも取り上げられるなど、民俗学にとって重要なフィールドのひとつであることが指摘できる。また、実際の民俗のあり方についても、中央の影響を受けつつも、独自の展開を見せており、その歴史的展開や地域性を考える上で、きわめて興味深い点があげられる。 本研究所の民俗学分野では、これまで民俗・宗教関係の研究に重点をおきつつ、東北地方における民俗資料の収集と研究を進めてきた。収集資料としては、東北各地のオシラサマ・オシンメイサマコレクション、会津八葉寺木製五輪等コレクションをはじめ、神体、祭礼・儀式に使用される用具類、幣束類、神札、奉納呪物など、民間信仰を軸とした祭祀関連を中心に、約1000点にも及ぶ民俗資料を保管するとともに、祭礼・神事の映像記録化も積極的に行なっている。また、近年では地域連携も念頭におきつつ、宮城県内各地を対象に、地元との協力の下、これまであまり研究蓄積の多くなかった民俗誌の作成にも力を注いでおり、現在は本吉郡南三陸町にて民具を含めた民俗調査を実施している。

収集資料「オシラサマ」
収集資料「オシラサマ」
収集資料「七夕馬」
収集資料「七夕馬」

地理学分野

東北と北海道を合わせた地域は、国土の40%もの広さが有りますが、そこには国民の13%しか住んでいない。東北日本は首都圏に隣接しながらも、開発の余地が残される遅れた地域とも、自然に恵まれた地域とも言われている。豊かな可能性を秘めたこの地域の現実を把握し、その過去・現在・未来を見極めるべく、地理学の分野では都市地理学、産業地理学、文化地理学、気候学、地形学などを専門とする3人を中心に、この方面の調査・研究を行っている。研究課題は個々人で設定しているが、「奥羽山脈の研究」を出版したように、総合研究も実施している。

地理学では、フィールドワークとともに、地図、衛星写真など極めて多岐に渡る地域・空間情報を解析・処理することが必要である。そこで、近年は簡易 GISを導入して一連の分析に使用している。このシステムは、統計・地図・画像などのデータを様々に組み合わせたり、自由に切り出したりして分析できるものである。地域の理解とそれを表現するためにはGISを利用することはごく自然なことになっていくと想定されている。

調査・研究の基礎を支える地形学・空中写真・GISデータベースの整備にも力を注いでいるが、中でも旧陸軍参謀本部が収集した外邦図(日本、樺太、アリューシャン、極東・東南・南アジアなど広範囲にわたる)やDEM(数値標高データ)などは多岐に渡る地理学の研究を支える貴重な財産ともなっている。