東北学院大学

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法学部

学部長あいさつ

法学部での学びを公共世界構築のために

法学部長

法学部長
陶久 利彦

1. 歴史と地域

東北学院大学法学部は、東北地方随一の私立法学部として50有余年の歴史を持っています。その間輩出してきた1万5千人近い卒業生の進路は様々ですが、多くは東北・北海道・関東に深く根を下ろし、地域社会を政治・経済・文化などの分野で支えています。とりわけ7年前の大震災後、復興と新たなコミュニティー作りに法学部卒業生は多大の貢献をしてきました。警察官や消防隊員あるいは役場職員として現場で奮闘し続ける人は、数え切れません。避難場所でのリーダーから議員に転じた人もいます。そのような目に見える活動をしていなくても、置かれた環境の下で重ねられる日々の丁寧な暮らしの中に、法学部での学びを生かしてくれています。

私たちは歴史的存在です。否応なく歴史に規定され、歴史の肩に乗り、得られた成果と残された課題とを次世代に引き渡していきます。今を生きる法学部もまた、先達が築き上げてきた遺産を引き継ぎつつ、未来に向かって試行錯誤を繰り返しています。

2. 教育理念・目的

現在、法学部教員は例外なく意欲的研究に取り組むと同時に、系統だった教育に情熱を注いでいます。すなわち、「法的思考と法的知識を、人間の尊厳のために」という教育理念の下、幅広い教養と法的基礎知識をもつと共に、他者への支援と連帯を惜しまない人材を育成しようと努めています。

近時のカリキュラム(=教育課程)基本方針の特徴の一つは、基礎的素養を確実に身につけることに置かれています。専門知識を理解するために必要な、大学生としての素地をまず固めようとします。その際、知識の教授と並んで、身近な課題をどのように発見し解決していくかを、グループ内議論を通じ自ら考えていく授業スタイルが試みられています。その上で2017年度からの新カリキュラムは、(1)大学での学びの質保証と(2)卒業後の進路との連関性という2点を、これまで以上に強化しています。当座の課題を乗り切るだけの断片的な法的知識ではなく、もっと深く、広く、体系的連関性を持った学びの成果を、進路選択とその後の人生に生かしてほしいのです。

3. 多様性と法

法の基礎は、個人の尊重にあります。個々人の持つ異なった価値観がそれぞれに承認され、公共世界の中の多様性が増大していくと、当然のように衝突やあつれきが生じます。その理解と解決そして予防には、法学が大きな役割を果たします。ところが興味深いことに、とりわけ法学を学ぶには、他者からの刺激つまり教授と議論とが不可欠です。そのために法学部は、若い学生が教えられ学ぶ機会を学部外機関との連携も含めつつ従来以上に充実させ、同時に議論の輪を更に広げて行くつもりです。

歴史的存在である個々人の生き方や心情に思いをいたし、法を中核として他者と共にどのような公共世界を作り上げていくのかに関心を持つ人を、法学部は心より歓迎します。