東北学院大学

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経済学部 共生社会経済学科

メッセージ

「なぜ社会保障が必要?」について考えてみませんか。

社会保障論担当
熊沢 由美 准教授

公的年金や医療保険など、社会保障制度について学んでいくのが本講義です。社会保障の歴史や役割はもとより、どのように私たちの生活と関わるのか、より具体的に紹介していきます。なぜ社会保障が必要なのか、現在の社会保障のあり方や仕組みに問題はないのかといった点について、立場や考え方の異なるさまざまな人がいることを前提にして、考察を深めてほしいと考えています。

人と人をやさしくつなぐことの大切さを学んでほしい。

社会福祉論担当
阿部 重樹 教授

社会福祉論の授業では、人生において、幸せに生きていくってどういうことなのかを、あらためて考えていきたいと思っています。経験を通した学びにも、積極的にトライしていきます。教室の外へ飛び出し、勇気をもって他者に関わってみてください。そして助け合うだけではなく、一緒に前に向かっていく気概を身につけてください。その経験は、みなさんがこれから社会で生きていく上で、きっと大きな力になるはずです。

他人への優しさに基づいた知性を磨いてください

共生社会概論担当
郭 基煥 教授

私は韓国にルーツを持ちつつも、日本で生まれて育った、いわゆる「在日三世」です (私は韓国というルーツも日本で生まれ育ったという事実も共に同じくらいに大事にしたいと考えています)。 専門は社会学です。差別問題、その中でも民族差別の問題に関心をもっています。

私が皆さんに期待したいのは、他人への優しさに基づいた知性を磨くことです。 「もしかしたら自分は知らないうちに他人を傷つけたり、他人の自由やプライド、権利を損なっていないだろうか。もしかすると自分が属している社会の法や常識は、特定の他者には冷酷で、場合によっては苦境に陥らせるものなのではないだろうか」。 そうしたことを問い、感じるための倫理的な感性と、その感性に基づいて社会を分析する力、さらに問題の解決策を見いだす創造力――。

大学生活を通して、それらを身につけてほしいというのが私の願いです。

小宮友根

性別規範の持つ「力」について考えよう

ジェンダー論担当
小宮 友根 准教授

人間が有性生殖によって繁殖する動物であることは、進化の過程の中でかたちづくられてきた、身も蓋もない事実です。けれど、私たちが性別という属性を持つ存在であることは、生殖という側面を遙かに超えて、私たち一人一人がどのような生活/人生を送るのかという選択全般に対して極めて大きな影響を及ぼしています。たとえば着る服、髪型、遊び、学ぶ学問、就く仕事、給料の額、職業上の地位、家事や育児への関わり、暴力の被害にあう/加害をしてしまうこと、好きになる相手、性的欲望のかたち、自分の性別に対する認識…。こうした事柄はすべて、「女なら/男ならこうするべきだ」という考え(性別規範)によって影響を受けます。ジェンダー論とは、言ってみれば、性別規範の持つその「力」と、その源について考察する学問です。

そしてその考察は、さまざまな差別問題に関する考察と深く結びついています。ジェンダー論を学ぶ中で皆さんは、性別やセクシュアリティによる差別はもちろんのこと、それらが他の差別問題とも複合的に絡まっている私たちの社会の姿を知ることになるでしょう。その知識は、性別だけでなく多様な属性を持った人たち、そして多様な考えを持った人たちが「共生」しうる社会を構想する力となるだけでなく、自分自身の生活/人生をより多くの可能性に開かれた、豊かなものとしていく力にもなるはずです。

斉藤尚

身近な問いの奥深さについて考えてみよう

市民社会と公共性担当
斉藤 尚 准教授

私の担当科目は市民社会と公共性です。この授業では、市民社会の歴史的な形成過程や現代の問題について公共哲学の観点から講義をします。「公共哲学」とは、「公共のことがらについて哲学的に考える」学問分野のことです。「公共のことがら」とは、私たちが暮らしている社会の中で、他の人たちと自分の双方にかかわることがらのことです。「哲学的に考える」とは、実は私たちが日常においてしていることです。たとえば、昨日友達と遊びに行く約束をして、今日別の友達に、同じ日時でもっとあなたが行きたい所に行こうと誘われたとします。その場合、昨日の約束を守るのか、それとも今日の誘いを受けるのか、私たちは考えます。約束を守ることは義務だからと考える場合、義務論的な思考と言えます。行きたいところに行くほうが楽しいからと考える場合、功利主義的な思考と言えます。

つまり、「公共哲学」とは私たちが社会の中で普段していることを概念化し、その諸問題を明らかにすることで、まわりの人たちとよりよく暮らしていくことを手助けする学問分野です。講義をつうじて、みなさん一人一人がよりよく、より深く考える手助けになればよいと思います。

佐藤滋

刺激に満ちた、「闘う社会科学」を学びたい君たちに

地方財政論担当
佐藤 滋 准教授

日本は、世界で第三位の経済大国です。世界に200カ国程度の国があることを思えば、これは驚異的なことと言えるかもしれません。ですが、経済的な豊かさは直接、人々の幸せにはつながりません。現に、日本の貧困率は世界でトップクラス。大変生きにくい国としても知られています。また、自殺者も毎年3万人程度います。特に「経済問題」を背景とした自殺が、ここ20年ほど顕著に増加してきたことには注目してよいでしょう。日本は経済大国であると同時に、大きな格差や貧困を抱えている国でもあるわけですね。

それはなぜか。これには、雇用の劣化、家族の変容、地域の解体など、様々な事柄が影響していますが、僕が担当する地方財政論では、政府や自治体が実施する政策、すなわち、公共政策を論じる立場からこの問題に答えようと思います。人類史上、未曾有の財政赤字を抱えるなかで、人々の生活を支える国や自治体の姿はどうあるべきか。極めて大きな課題ではありますが、その分やりがいもあります。

社会が抱える課題と格闘し、人々の生活の礎となる学を構想すること。僕が尊敬する学者はこれを、「闘う社会科学」と呼びました。知的でスリリングな学問を、ぜひ一緒に楽しみましょう!

黒坂愛衣

他者と〈出会う〉ことの豊かさとおもしろさを知ってください

現代社会問題論担当
黒坂 愛衣 准教授

わたしは、ハンセン病問題および部落差別問題を中心に、日本の社会問題や差別問題の研究をしてきました。具体的には、「現場」に足を運び、社会的少数者(マイノリティ)の立場におかれた人々と活動をともにし日々の記録をつける「参与観察」という手法や、かれらから人生の歩みの話を聞かせてもらう「ライフストーリー研究」という手法です。

マイノリティ当事者たちの語りは、わたしたちに大きな気づきを与えてくれます。社会的多数者(マジョリティ)の立場にある者の日常からは見えにくい、社会的抑圧や排除の存在。そのなかを生き抜いてきた人々の、豊かな生きざま。当事者存在のさまざまなありよう……。講義では、当事者の生との〈出会い〉を大事にしたいと考えています。

学生のみなさんには、多様性への豊かな感性と、社会問題を自分自身に結び付けて考えていく力を育てていってほしいと期待します。

石川真作

様々な「文化」=「人」と共に生きられる想像力を

多文化共生社会論担当
石川 真作 准教授

私の専門は文化人類学で、多文化共生に関する授業を担当しています。文化人類学とは世界の様々な地域の人々の「文化」についてフィールドワークを通じて明らかにする学問です。なぜ経済の学科に文化人類学の教員がいるのか疑問に感じる人もいるでしょう。文化人類学が扱う「文化」とは広い意味での文化、すなわち人間の思考や行動、いわば生きる方法の集積です。そこでは当然、経済の側面もとても重要なのです。

多文化共生に関する議論も狭い意味での「文化」の問題だけで考えるのではなく、経済の側面を含めた広い意味での「文化」、すなわち人間の生活のあり方全体からアプローチしなければ理解することができません。共生社会経済学科はそのような広い視野からの学びができるところです。

多文化共生とは、言葉や宗教、生活習慣が違う人々とうまくやるということです。しかし、極端に言えば私たちは自分以外の人間を完全に知ることはできないのですから、自分とは異なる人を理解するということは特別なことではなく、私たちが普段からしていることなのです。そこで必要なのは、想像力です。幅広く様々なことを慮ることのできる「想像力」を身につけられるよう共に学びましょう。

谷達彦

問いをみつけ、考えよう

財政学担当
谷 達彦 講師

いま、巨額の赤字と債務を抱えている日本財政の行方に多くの人が不安を感じています。「消費税を増税するべきだ」「財政再建には社会保障の削減が必要だ」「政府はもっと子育て支援に力をいれるべきだ」等々、財政改革をめぐって様々な意見が主張されています。諸外国の財政をみても、財政支出の規模や内容、それを支える税制は多様です。財政改革に唯一の「正しい」改革があるわけではありません。

大学では様々な考え方やものの見方を学びます。何が「正しい」のか、高校までの試験勉強のようにただひとつの「正解」を与えられるわけではありません。「正解」が用意されていない問題を考えるのが大学での学びです。考えれば考えるほど何が「正しい」のかわからなくなる、けれど考えるのがおもしろい、そのような問いをみつけましょう。インターネットに出てくる「答え」を鵜呑みにせず、「本当にそうだろうか」と立ち止まり、納得できるまで考え続けましょう。

考え続けることは楽なことではありませんが(でも楽しいことです)、考え続けたその先に自分の「答え」をみつけたとき、それまでとは社会をみる眼が変わった自分に気づくことと思います。

〇〇は信じることから始まる。〇〇は疑うことから始まる。

グローバル経済論担当
小笠原 裕 教授

○○のなかにはどんな言葉が入るでしょうか。正解が既にあり、その正解は1つしかないと考える人が多いかもしれません。高校までの多くの問題はそうです。そういう問題の場合は既にある正解、1つしかない正解を入れると○をもらえます。しかし、正解が複数ある問題もあります。正解がまだない問題もあります。社会にでるとそういう問題にしばしば直面します。共生社会経済学科はそうした問題に積極的に取り組む学科です。また共生社会経済学科は多様性を認めることから出発しています。人種、民族、国民、男女などは一様と多様の応用問題です。身近な問題からグローバリゼーションまで興味をもてるテーマを用意して皆さんをお待ちしています。

市民活動の「読み方」と「歩き方」を身につけてください。

市民活動論 担当
齊藤 康則 准教授

皆さん、はじめまして。市民活動論(3年次開講)を担当する齊藤康則です。私の専門は社会学です。これまで、自治体総合計画を策定するための市民参加、交通不便地域における乗合タクシーの事業化など、地域社会を舞台としたコミュニティ組織やボランティアの活動について、現場(フィールド)から問題を考えるような研究を進めてきました。

共生社会経済学科に、なぜ市民活動論という授業があるのだろう――そう思う人も、きっと少なくないことでしょう。しかし、本年3月に発生した東日本大震災からの復旧・復興のプロセスを考えてみてください。新聞やニュースでは、政府や地方自治体の行政活動だけでなく、NPO(Non Profit Organization)やNGO(Non Governmental Organization)を担い手とした市民活動が紹介されていたことに、皆さん、お気づきのことだと思います。避難所から仮設住宅へ、生活再建にむけた動きが進みつつありますが、被災者の方々を支援するうえで、こうした市民活動は重要な役割を担っているのです。

授業の中では、高度経済成長と水俣病など住民運動、コミュニティ組織とまちづくり、生活協同組合と代理人運動、障がい者の自立生活運動といったトピックを踏まえて、いわゆる政治史・経済史とは異なる「戦後日本の社会史」を描き出したいと思います。また、阪神・淡路大震災以降のボランティアの高まり、NPOの制度化について説明しながら、地域・福祉・環境をテーマとした具体的な市民活動も紹介していきます。一見分かりやすそうだけれども、立ち止まって考えてみると難しい――そんな「市民活動論」のイメージを、授業や演習などの学びによって払拭しながら、皆さん一人ひとりに市民活動の「読み方」と「歩き方」を身につけてもらえれば、と願っています。